写真はイメージです(出所:写真AC)

(河崎 環:コラムニスト)

おじさんだって可愛い女性を「推し活」したい

 今日も、汗を滴らせたおじさんたちの壁でインストラクターがよく見えない。

 私がいわゆる「暗闇バイク」なるフィットネスジムにハマって、もう5年目になる。ミラーボールの回るライブハウスのような密室の暗闇で、爆音のロックやハウスミュージックなどに合わせ、40~50人くらいの集団でスピンバイクを漕ぐ。ステージの上で派手な照明演出に彩られたインストラクターの英語混じりの指示に従い、足元は漕ぎながらも自転車の上で上半身をひねったり上下させたり、立ったり座ったり腕立てしたりと、かなりの運動量だ。

 全身の脂肪燃焼を促し、しなやかな筋肉を作り、1回45分のレッスンで400~800キロカロリーが消費されるという。効果的な脂肪燃焼には水と呼吸が大事。力みがちなレッスンの難所でも息を止めないようにと言われ、必ず持参する500ml以上の水を飲み切りレッスンを漕ぎ切ったころには、自分の汗が滴り落ちて、床にちょっとした池が生まれている。

 当初は“海外の流行に敏感な、都会の高所得者向け”といったイメージで展開されたこの暗闇バイクも、とうとう創業10周年を迎え、店舗数は日本全国で40を超えた。

 では一体どんな人が通っているのか。会費だけで月額1万5000~2万円ほど、そこに月15回ほど、多い人は30回以上レッスンを受ける諸費用を加算したコストを払ってでもこのフィットネスジムを続けられるのは、多くが経済的に余裕のある30代後半~50代、そう、中年である。