(羽田 真代:在韓ビジネスライター)
ここ10数年の間、日本では胸を小さく見せるブラジャーが流行っている。ワコールが2010年4月に製品の販売を開始してから爆発的ヒットを記録し、2022年11月現在までの累計販売数はついに155万枚を突破した。
筆者は胸を小さく見せるブラジャーをつけたことがない。知らないだけかもしれないが、筆者の周りにもこれをつけたことのある人はいない。だが、これまでオンライン広告やニュース記事などでこのブラジャーについて何度か見かけたことがあり、良い商品が出たなとは思っていた。服装によっては胸を大きく見せるより、小さく見せる方が綺麗に見えることがあるからだ。
トリンプ・インターナショナル・ジャパンの調査によると、現代の日本人女性の平均的なバストサイズはCカップからDカップだそうだ。
集計を始めた1980年はAカップが58.6%と、Aカップが日本女性人口の半数以上を占めていたが、年数が経つにつれサイズが上がり、2018年はAカップ:2.1%、Bカップ:17.9%、Cカップ:26.9%、Dカップ:26.3%、Eカップ:18.8%、Fカップ:6.4%、Gカップ:1.6%と、Dカップ以上の割合が半数以上を占めるようになった。
ひと昔前までは、「胸が大きいことことが正義!」と言わんばかりの雰囲気であった。叶姉妹や「だっちゅーの」で一躍時の人となったパイレーツが連日テレビに登場し、お茶の間の男性を喜ばせたのは記憶に残るところだ。深田恭子、熊田曜子、MEGUMIなど、全盛期のグラビア界を盛り上げたのも、当然のことながら巨乳の持ち主たちだった。
時が流れ、胸が大きいことを良しとするトレンドは去った。今は他人の視線を気にしないという考えが主流のようだ。その延長線上に胸を小さく見せるブラジャーがあるという。
ただし、このような考えも時代の流れと共に変化していくのではないかと筆者は考えている。流行は常に変化する。1990年代に流行った厚底ブーツが現在また流行っているように、胸を大きく見せる時代もまたやってくるだろう。