この猫は賢くて、強風のあたらない岩陰にたたずんでいます。風の音を注意深く聞き、天候の急変に備えているといった感じでした。

 湾の向こう側の半島には豪雨が襲来しているのでしょうか。スコールのようなにおいが風に乗ってやってきました。猫たちは平気な顔をしていましたが、わたしは降られたら困るので、ここで海岸を後にしました。

 台風並みの嵐が来たら、海岸で暮らす猫たちは大丈夫なのかと心配になりました。世話をしている人によると、「猫は知能の高い動物だから、心配には及ばない」と。海岸にいては危ないと判断すれば、猫たちは城塞の中にある家へ避難するのだそうです。

 それは、もしかしたらチャーリくんの家かな?と思いました。チャーリくんの家には、地域猫たちが出入り自由な部屋がありましたから。

 旧市街の中の商店が立ち並ぶ小道です。土産物や衣料品の店、特産品は赤色の濃い珊瑚です。

 お店の看板犬はお客さんが近づくと、立ち上がってシッポを振って迎えていました。

 後編では、少し内陸に入った大きな町サッサリで出会った猫たちを紹介します。
屋根の上にいた猫の名はペッピーナ、飼い主は「どうやって上ったの!?」
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/72258

※サルデーニャ島アルゲーロへの行き方
 アルゲーロ空港へは、ローマ、ミラノなどイタリア主要都市から直行便があります。マルセイユ(フランス)、バルセロナ(スペイン)からも直行便が出ています。アルゲーロ旧市街は空港から南へおよそ10km、バスの利用が便利です。

 次回紹介するサッサリは、空港からアルゲーロとは反対方向の北東におよそ30km。空港からサッサリへもバス利用が便利です。アルゲーロとサッサリ間はバスで約1時間。

※おしらせ

 新美敬子さんの新刊『世界のまどねこ』(講談社文庫)が2022年10月14日に発売されました。サルデーニャ島の猫たちも載っています!
https://www.amazon.co.jp/dp/4065295785/