かつての朝鮮戦争(1950年)では、停戦ラインは最終的に38度線だった。なぜそうなったのか。理由は、戦闘の推移にあった。
具体的には、朝鮮軍の南進、国連軍の反攻、中共・朝鮮軍の反攻・国連軍の押し戻し、そして一進一退の後の膠着の結果、両軍の動きが止まった。
そこが、現在の38度線である。
ロシア・ウクライナの戦争では、戦線が膠着するライン、つまり停戦ラインはどこになりそうなのか、そしてその時期はどうなるのか、注目するところである。
この戦争を見ると、当初は一方的なロシア軍の侵攻だった。
その後、ロシア軍の作戦失敗とウクライナ軍の攻勢により、ロシア軍がキーウとハルキウから国境付近まで押し返された。
5月には、ロシア軍は押し返された戦力をウクライナ東部のドンバス地方に集中して猛攻撃をかけ、都市セベロドネツク全域の制圧を目指した。
これに対するウクライナ軍は、相撲でいう徳俵で何とか持ち堪えているという状態だ。
東部のドンバス地方を除くと、北のハルキウ正面や、南西部のヘルソン正面は、ウクライナ軍が、徐々にではあるが押し返している。
ウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、6月中旬には反攻すると発言していた。
今、その時期になったのだが、これからどのような戦況予測になるのか、その後の両軍の攻防が停止するラインはどこになるのか、その時期はいつ頃なのかを考察する。
考察にあたっては、
①現在のウクライナ軍の動きに関する情報
②ウクライナ軍の戦力増強状態
③これまでベールに包まれている兵器の狙い
④今後の戦況予測と両軍攻防の停止ラインの順で、解説する。