米国の市場調査会社IDCがまとめた最新の調査によると、この1~3月期におけるパソコン向けマイクロプロセッサーの世界市場シェア(出荷個数ベース)は、米インテルが80.8%で、2位の米AMDの18.9%を大きく引き離しており、相変わらずインテルの市場支配が続いている。

インテル、マカフィーを買収へ

依然、パソコン市場を支配しているインテルだが・・・〔AFPBB News

 パソコンの形態別に見るとインテルのシェアは、ノートパソコン向けが86.3%、デスクトップパソコン向けが72.4%、PCサーバー向けが93.9%と、いずれのカテゴリーでも圧倒的に強い。

 またIDCは市場全体で2011年は、前年に比べて出荷個数ベースで10.3%増加し、金額ベースでは同17.6%増のほぼ430億ドルに達すると見ており、市場は今年後半も順調に推移すると予測している。

ライバル「ARM」搭載のウィンドウズも登場へ

 ただし、インテルには安閑とはしていられない状況が差し迫っている。IDCは今後、英アームホールディングスの基本設計を採用するパソコンが台頭し、そのシェアは2015年までに13%に拡大すると予測しているのだ。

 この予測は、2012~13年にも登場すると言われている米マイクロソフトの次期基本ソフト(OS)「ウィンドウズ8(Windows 8)」が、アーム設計のマイクロプロセッサーに対応することを計算に入れている。

 これはインテルにとっては由々しき事態と言えるだろう。

 パソコンや、サーバー、スマートフォンなどで主に使われているマイクロプロセッサーには、2つの異なる基本設計がある。1つがインテルが開発した「x86」で、これはAMDなども採用している。もう1つはアームホールディングスが開発した「ARM」。前者はパソコンやサーバーなどに使われており、後者は低消費電力という特徴を生かしスマートフォンやタブレット端末などのモバイル機器に使われている。

 これまで両者のすみ分けが明確だったため、インテルはAMDなどのx86を採用するライバルメーカーだけを意識していればよかった。

 ところが、スマートフォンやタブレットなど昨今のモバイル端末ブームで、消費者向けパソコンの販売が低迷。こうしたことを背景に、ついにマイクロソフトがウィンドウズをARMに対応させることになった。