2022年、東京大学大学院でマネジメントの新しいコースがスタートしました。
「学際情報経営工学」
元を正せば、惜しくも2021年末に亡くなった松島克守さんが唱導され、私が担当して2002年にはスタートしていたはずのコースです。
なぜ2022年まで20年も開設できなかったのか。その背景についてはここでは控えます。
当時、一緒にスタートしていたはずの同僚で、2004年からは参議院議員を務める藤末健三さん、松島さん藤末さんとともに2001年「株式会社東大総研」を立ち上げた際、フェローとして参加された、現在は東京理科大学教授・MOT専攻長の若林秀樹(https://www.tus.ac.jp/academics/teacher/p/index.php?526B)さん、経済同友会幹事の澁澤健さんといったメンバーが「未来を創るイノヴェーション」「育てる金融」などのテーマで大学院向け、実践本位、質実剛健で学生を指導してくださいます。
折しもウクライナ戦争の勃発で世界が大きく動かざるを得ない状況となりました。
そこで、多数の国籍を持つ学生集団、誰にとっても価値あるカリキュラムを創成、提供しています。
今回は学際情報経営工学「若林ゼミ」の学生課題から、日韓中の少子高齢化を巡るトピックスをご紹介しましょう。
韓国の未来:老人と子供が国民の過半数
2022年、日本は依然として先進国の一角を占めてはいます。しかし、一等国としてイニシアティブを執っているかと尋ねられれば、一等国の定義が曖昧だとしても、はなはだ疑問と言わざるを得ません。
しかし間違いなく「先進的」である側面がある。「それは課題先進国」と、若林秀樹さんは指摘します。
昭和30年代の高度成長がオイルショック前後を期として低成長に入り、1990年代以降は実質的に成長が止まってしまった日本は、今後世界各国が辿るであろう下降シュプールを、どこよりも早く描くことになる。
逆にいえばそれを奇貨として、新たなグローバル・ビジネスモデルを世界に先駆けて構想立案、実行完遂可能な、特権的な位置に立っているともいえるだろう・・・。
若林さんの鋭い指摘であり、また松島克守さんも危機を転機に読み替える達人でしたから、もしご存命でゼミを担当していただけたら、同様の発想で課題を出されたように思います。