世田谷コロナ後遺症調査、第2次の結果速報が出ました(https://www.city.setagaya.lg.jp/mokuji/fukushi/003/005/006/d00196128.html)。

 調査の集計が出たのは1月末で、2月の新型コロナウイルス感染症は、オリジナルの武漢株より変異株の方が後遺症が多く出る結果が出ています。先に重要なアウトラインを記すなら

1 コロナ後遺症は 変異株の方が重篤化
2 若い人でも 長期後遺症が出る

3 発症の有無に無関係 急性期無症状でも長期後遺症
4 ワクチン接種の有無は無関係で50%に後遺症

 といったところになります。しかし、海外からの朗報として

5 すでに後遺症予防の抗体療法は国際的に目途がついている

 ことも明記したうえで、今回は速報のポイントを元データ(https://www.city.setagaya.lg.jp/mokuji/fukushi/003/005/006/d00196128_d/fil/omonatyousakekka.pdf)とともに概説します。

コロナは後遺症が最大問題

 新型コロナウイルスは、急性期の症状よりも、後遺症PACS(Post Acute COVID Syndrome)が主要な問題になるのは、すでに国際的には2021年の初めに十分理解されています。

 なぜなら、2020年初から蔓延し始めたコロナ流行から1年が経過、まる1年経っても治らない人、生活が一変してしまった人、仕事をやめざるを得なくなった父親や、学校を休学する学生など、欧米では1年前の時点で、すでに深刻な社会問題を引き起こし始めていたからです。

 英国やオランダでは早々に、国を挙げてのコロナ後遺症(当時はジャーナリズムの用語で「Long COVID」と呼ばれていました)への対策が立てられ始め、私たち東京大学ゲノムAI生命倫理研究コアでも、時差なく対策を検討し始めました。

 この観点から、日本国内では例外的に、非常に早い時期から後遺症対策に乗り出したのが、東京都世田谷区です。