(姫田 小夏:ジャーナリスト)
日本でベトナム国籍の人口が急増している。2021年11月末、総務省が行った国勢調査(2020年)によれば、日本の外国人人口は274万7000人。国籍別では66万7000人(総数の27.8%)の中国に続き2位が韓国・朝鮮、3位はフィリピンとブラジルを抜いてベトナムとなった。
法務省の統計からは、2010年に約4万1000人だったベトナム人は、2020年には44万8000人と10年間で11倍以上も増えていることがわかる。都道府県別で9番目に外国人人口が集中する福岡県は、2021年6月末の時点で約7万9000人の外国人総数に対してベトナム人の在留は約1万9000人と、最多の中国人を抜いた(新型コロナの影響で中国人が一斉に帰国したことが要因と思われる)。資格別では技能実習生や留学など、若い世代の集中が見られる。
福岡県ではベトナム人がコンビニや飲食店の従業員として働く姿はもはや珍しいものではなくなった。中洲のラーメン屋台でもベトナム人が働いていて、「福岡は4年になります」と話していた。
しかし福岡県では、ベトナム人コミュニティの肥大化とともに犯罪も増えている。ベトナム語の司法通訳のAさんは同県における最近の傾向について「窃盗は少なくなったが、薬物に関わる案件が急増しています」と明かす。