大谷翔平選手が2021年のシーズンを終え、MVPの最有力候補として取り沙汰されている。
シーズンを通して投・打の活躍はベーブ・ルースとの対比で語られ、本塁打王には届かなかったものの、最終試合をホームランで締めくくる素晴らしいパフォーマンスも見せてくれた。
シーズン中の実況放送で現地放送局がしばしば「オオタニに不利な判定」と報じたボークや三振などの〝判定″が見られた。
かつてはイチロー選手も「不利な判定」で、大記録を打ち立てる寸前で立ち止まらされた。
ネットでは「(オオタニがMVPに)輝くか否か」は愚問で、文句なしの「受賞」という評論がほとんどのようである。
オオタニ(やイチロー)の背後に、「日本人に大記録を達成させてなるものか」といった狭量があるか否かは知る由もないが、そうあってほしくないと願いたい。
スポーツは純粋に楽しむべきであろうが、ワールドカップなどと称されるビッグイベントでは、どうしても「国家」が見え隠れする。
中でも正真正銘の国家代表たちが集うオリンピック・パラリンピック(以下、五輪・パラ)では、「平和の祭典」と称しながらも優勝すれば国旗が掲揚され国歌が演奏されるとあって、代表たちには「国家」がちらつく。
東京2020の五輪・パラが終わってすでに1か月以上が過ぎたが、余韻は今でも強烈で、全国紙も折に触れて東京2020の名場面をエッセイ風に取り上げては紙面を飾っている。
そこで、以下、五輪・パラに「国家」が顔をのぞかせた場面をいくつか取り上げたい。