中国海軍創設70周年の国際観艦式に出席した習近平国家主席(資料写真、2019年4月23日、写真:新華社/アフロ)

(古森 義久:産経新聞ワシントン駐在客員特派員、麗澤大学特別教授)

 尖閣諸島周辺の日本領海への侵入を続ける中国はまもなく尖閣諸島の施政権保有を宣言するだろう――。

 こんな衝撃的な予測が米国の中国海洋戦略研究の権威により表明された。日本領土の施政権は日米同盟での米国の防衛誓約の根拠ともなっており、中国によるその奪取の宣言は日本の国家防衛への重大な打撃となる。

頻度が高まっている中国船の侵入

 日本固有の領土である沖縄県石垣市の尖閣諸島に対して中国は主権を主張して、2012年ごろから継続的に同諸島の日本の領海と接続水域への中国海警局の武装艦艇による侵入を繰り返してきた。

 その頻度は最近とくに高まっている。2021年9月中旬の時点で同年の領海侵犯が合計35回、日本の法律が施行される接続水域への一方的な侵入も2020年には合計319回、2021年にもほぼ連日という頻度で7月下旬には連続157日を記録した。