(花園 祐:上海在住ジャーナリスト)
戦国時代の多くの人気武将の中で、織田信長や真田幸村などと並んで高い人気を誇るのが、仙台藩の藩祖である伊達政宗です。
政宗がこれほど高い人気を得てきた背景としては、NHKの大河ドラマ「独眼竜政宗」で政宗役となった渡辺謙氏の名演もさることながら、「伊達者」と称されるようになるほどの派手な振る舞いや、味方に対しても銃撃を辞さないといった苛烈な戦いぶりにあるでしょう。
そんな政宗の子孫に、明治期に華族として生まれながら中国大陸に渡って馬賊となった、先祖同様に豪快で型破りな一生を送った人物がいることをご存じでしょうか。
その名を、伊達順之助(だて・じゅんのすけ、1892~1948年)といいます。今回は歴史再発見コラムとして、伊達順之助の数奇で破天荒な一生を紹介したいと思います。
ちっちゃなころから悪ガキで
伊達順之助は1892(明治25)年、仙台藩知事であり男爵でもある伊達宗敦(だて・むねあつ、1852~1911年)の六男として生まれました。