*写真はイメージ

 日本の世論は徐々に変化しつつあるようだ。開催の是非が問われる中、東京五輪は開幕から10日が経過した。新型コロナウイルスの感染拡大や大会運営絡みの不祥事噴出によって逆風の連続だったが、いざふたを開けてみれば日本国内は明らかな五輪フィーバーに包まれている。

 日の丸を背負った代表選手たちの善戦によってメダルラッシュとなり、世間の熱量はヒートアップ。大会が始まる前までどこか置き去りにされていた各種目のアスリートたちが今、ようやくスポットライトを浴びて“主役”へと躍り出るようになった。そもそも五輪が「アスリート・ファースト」の理念に基づく国際大会であることを考えれば、これが正常な流れと言えるのかもしれない。

日本選手のベストショットを集めたフォトサイト

 そうした中、東京五輪でレンズを向け続けるカメラマンたちのベストショットを数多く集めたサイトが大きな話題を呼んでいる。「Web Sportiva アスリート応援サイト 感動のデジタル写真展」(集英社)(https://featuring-athelete-photogallery2020.sportiva.shueisha.co.jp/)だ。コロナ禍で無観客となった会場からプロフォトグラファーによって一挙一動および喜怒哀楽を一寸たりとも逃さず激写されたアスリートたちの姿はまさに貴重であり、見る者すべてに鮮烈な感動を与える。

Web Sportiva アスリート応援サイト 感動のデジタル写真展

「東京五輪は残念なことに当初、準備段階からどうも外野のゴタゴタばかりが注目され“アスリート・ファースト”の要素が感じられにくくなっていました。しかも一生懸命頑張っているはずの選手たちが何も悪くないのに一部の心ない人たちから批判まで向けられ始めていた。『これは一体どういうことなんだ?』と。そういう諸々の疑問を抱いたことも、このサイトを始めようと思った大きなきっかけの1つです」と語るのは同サイト立案者のプランニングプロデューサー・羽永太朗氏である。

 純粋な気持ちで懸命になりながらスポーツに取り組み、最大限の努力を重ねているアスリートをクローズアップしたい。そして東京五輪という檜舞台で最高のパフォーマンスを発揮しようと全力で戦っている代表選手たちの「ベストショット」は必ずや世間の共感を呼び起こし、一部の人たちによるあらぬ“誤解”も解けるはずだ。羽永氏は頭の中で、そのように思い描いていたという。