金融政策の変化が運用商品を組み替えるポイント
そこで、ここからは初心者向けにiDeCoのメンテナンスについて話していきたいと思います。
商売は「安値で仕入れて高値で売る」が基本ですが、貯蓄も同様です。ただ、金融商品は日々変動していて、見極めが難しい。そこで、「金利の変化」の大枠を読み、経済の傾向に沿う選択を行っていくしかありません。「タイミングで商品を選ぶ」が重要です。
景気の回復期は一般に、株価は約半年先を読んだ動きをします。この時期は積極的に株式投資信託の比率を上げ、ピークが近づけば比率を下げる。iDeCoの運用商品では、徐々に株式型の配分を減らしていく。景気のピークのシグナルは、金融政策が引き締め(利上げ)に転換された時期です。
景気がピークを過ぎると、企業業績が悪化し減収減益決算に転じます。株価は先行して下落することが予想されます。景気の悪化がTVなどで報道された時には、株価はすでに下落トレンドに入り込んでいます。金利は、景気の過熱を抑制するため高金利になっているはずですが、近年はずっと低金利政策中で、実態の経済とはかけ離れた、矛盾する状況になっているのは心配です。
景気のピーク前後の対応策としては、株式投資信託を売却し、比較的安全な債券や金など、または元本確保型金融商品にスイッチング(預け替え)することです。
株価は景気の半年先を行くものなので、少なくとも半年に一度はメンテナンスしていく必要があるのも理解できますね。ですから、メンテナンスしやすいように3~4商品で構成すること、自分にとって「見える商品」を選ぶことが大切です。そのためには、自分の運用商品に関心をもちましょう。新聞、マネー誌の活用をしましょう。身近にいる専門家に相談しましょう。それが失敗を防ぐための最大の防御であり、最大の「攻め」にもつながっていくことでしょう。
今年は皆様にとって、メンテナンスが重要の年になってくるかもしれませんよ。