ヘルスケアアプリ「BeatFit」を運営する株式会社BeatFitは2021年1月6日、緊急事態宣言下で懸念される運動不足についての調査結果を発表した。新型コロナウイルス感染症蔓延のため、首都圏を中心に緊急事態宣言が再発令され、テレワーク人口が再び増加することが予測される。同社では、テレワークがもたらす運動不足の実態と長期的リスク等を分析し、企業に対して健康維持のための取り組みを推進するよう促している。
テレワークで一日の平均歩数が8割減少するケースも
2020年4月の緊急事態宣言発令以降、テレワークを進める企業が増加している。これにより通勤ストレスから開放される一方、外出機会の低下から運動不足が大きな問題となった。そこでBeatFitは、緊急事態宣言下での運動や健康に関する調査を実施。はじめに「テレワーク導入前後の一日の歩数平均」を見ると、テレワーク導入前が7,986歩だったのに対し、導入後は2,001歩と80%減少したことがわかった。また、テレワークで運動不足に悩む人の割合は63.9%にのぼり、6割以上のビジネスパーソンが運動不足の問題を抱えている実態が明らかとなった。
「運動不足」は死亡リスクの第3位に。企業主導の働きかけが必要
運動不足は、「心身不調」や「生産性低下」などによる業務パフォーマンスの低下といった短期的リスクだけでなく、長期的には生活習慣病のリスクもはらんでいる。厚生労働省が2007年に発表したデータによると、運動不足は「喫煙」、「高血圧」に次ぐ死亡原因の第3位で、塩分やアルコールの高摂取よりも高い結果となっている。一部企業では緊急事態宣言後に休職者が増加するケースも増加しているといい、企業として従業員の運動不足解消に向けた施策実施が急務と言えるだろう。
再び緊急事態宣言が発動されたことにより、企業は政府からテレワークの積極的な導入を要請されている。今後もさらに進むとみられるテレワークと、それに伴う運動不足の課題は、個人任せではなく企業が率先して解決すべき問題なのかもしれない。
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