iDeCoの資産配分

 宮崎県延岡市で保険業や資産運用のアドバイスに携わる小田初光さんが、地方で暮らす生活者のリアルな視点で、お金に関するさまざまな疑問に答えます。今回は、小田さん自身の例をもとにiDeCoの資産配分を考察するとともに、元本確保型商品の仕組みについても深く掘り下げていきます。

基本は株式・債券・元本確保型の3種類で十分

【質問】
 iDeCo(個人型確定拠出年金)の仕組みはだいたいわかったけど、実際のところ、本当に運用商品で上手く運用できるんですか? 悪質な保険の営業マンと同じで、お客には勧めるが自分では入らないなど、金融機関が儲けたいだけじゃないの? よかったら、小田さんのiDeCo運用がどうなってるか? これから商品を組み換える予定はあるのか? 教えてくれませんか?

 前回に引き続き、iDeCoの「何で?」にお答えしていきます。

 今回の質問者のように、私の運用について教えてほしいという質問は多くあります。確かに「今現在のリターン」が出ていれば、それを元に「同じ商品でリターン」を狙いたい気持ちはわかります。それが簡単にできればいいのですが、そうはいきません。経済(相場)は日々動いていて、今日と明日では同じ結果にはならないのです。

 ところで、相談者の方は保険外交員さんといい関係がつながっていないようですが、金融機関がiDeCoを勧めるのは、保険の販売員さんが「自分本意」で儲かる商品を売るのとは意味が違います(もちろん、「自分本位」の営業をするのは一部の外交員だと思うのですが……)。
 後で失敗(元本が減る)しても、保険と違って、iDeCoの加入者は金融機関に責任を問えません。あくまでも自分の責任としなければならないことをご承知ください。ですから、商品の選定から分析、そして先の経済予測が必要なのです。初めての方は専門家などにアドバイスを受けてみるのもいいと思います。

 さて私のポートフォリオですが、実は約4年前にiDeCoを始めたばかりで、まだ完全なポートフォリオは構築されていません。あくまでも参考意見として見てください。

 私の場合、運用商品はわかりやすいものだけで構成していて、3商品しかありません。iDeCoの運用は株式、債券、元本確保型の3つあれば十分だと考えています。投資に慣れてきたら、REITなどを組み込むのもいいと思います。
 そして、現状ではiDeCoは60歳までしか積立できませんので、私のようにあまり若くなく、積立期間も短い人は、株式比率を低くした安定重視の構成で望むべきでしょう。

iDeCoの運用商品を検討積立期間が短い方は、万一の事態に備えてiDeCoの運用商品は安定重視の構成が安心