日本株式のインデックスファンドは14%の増益

 とはいえ、私は仕事上、投資の経験もあるので、株式比率約80%の“積極型”で運用しています。私の世代より、むしろ私より若い20代、30代の方が参考にしていただくといいかもしれません。
商品構成は、

①日本株式インデックスファンド(TOPIX)60%
②バランスファンド(国内株式31%、外国株式14%、国内債券33%、外国債券15%、エマージング株式5%、短期金融資産2%)25%
③元本確保型傷害保険 15%

 の3商品に絞っています。
 1年くらい前に、3つの配分を変更(株式比率アップ)して望んでいるところです。

 成績ですが、単体商品では2020年12月15日現在、①約14%、②約5%、③約0%の増益となっています。
 ①は株価指数に連動するパッシブ運用、②は複数の株式と債券のバランスになっているアクティブ運用です。アクティブ運用の投資信託は、どうしても手数料(信託報酬)が多めにかかってきますので、商品を決める際は、よく考えて選んでいます。

 今後の方針は、新型コロナウイルスのワクチンの接種状況にもよりますが、今の配分で来年の中旬まで行き、どこかのタイミングでスイッチング(預け替え)と、2回目の配分変更も模索しています。

iDeCoの配分を変更iDeCoでは運用商品の入れ替えや配分の変更ができるので、投資に慣れている方なら、状況によって「積極型」「安定型」を使い分けられる

元本確保型もいろいろ。中途解約時の金利などにも注意

 ここでワンポイントアドバイスとして、素通りしがちな③の元本確保型商品の仕組みと特徴、注意点を解説していきます。

 元本確保型の主な分類は、Ⓐ定期預金、Ⓑ積立傷害保険、Ⓒ積立年金保険の3種類です。運用の仕組みは、加入者のお金を保険会社や銀行に一定期間預けて、定められた期間が到来したときに、預入時に約束された保証利率・金利が利息として付くというものです。ただし、元本確保型を満期前で解約すると中途解約となり、金利の引き下げや解約控除などが発生してしまいます。

 この3つの分類のうち、どれを選べばいいのか? それぞれの特徴は微妙に違うので、選ぶ前に確認してみてください。

 私はⒷ積立傷害保険を選んだのですが、理由は簡単です。Ⓑは傷害保険が付いているからです。「えっ、保険? 保険料が割り増しされるんじゃないの?」と思われがちですが、積立金の元本はⒶもⒸも全て同じ。積立傷害保険は運用期間中に事故によるケガで死亡した場合、病気で死亡した場合よりも受取金額が割り増しされ、病気死亡時返戻金の額の1.1倍が支払われます。ここが他にはない違いです。

 また、満期前に中途解約した場合、Ⓐ定期預金は適用金利が引き下げられます。Ⓒ積立年金保険では解約控除の費用が差し引かれ、元本を下回ることもあります。その点Ⓑ積立傷害保険は、中途解約すると保証利率が引き下げられますが、元本を下回ることはないのです。
以上のことから、私はⒷ積立傷害保険を選びました。

iDeCoならではの手数料

 最後になりますが、iDeCoの最大の弱点について触れます。
 それは、加入者が負担しなければならないさまざまな手数料です。毎月の積立金には、国民年金基金連合会、運営管理機関(加入先の金融機関)、事務委託先金融機関(信託銀行)への手数料が掛かってきます。通常の投資信託や定期預金にはない手数料です。

 私の場合、個々の商品で見るとしっかり利益が出ていて、単純計算すれば7.5%ほどの増益になってもよさそうなものですが、最終的にはトータルで約7%増になっています。iDeCoは「ほったらかして、じっくり増やしましょう」でいきたいのですが、ある意味では、積立期間が長い方ほど「もったいない」ともいえるのがiDeCoの仕組みなのです。この「もったいない」を、国には改善していただきたいものです。