彼は、多くのことを教えてくれた。
先に書いたスクリーンについても、それまで知り得なかった方法や技術を細かく指示してくれたし、メンタル面においても適切なアドバイスをくれた。
「折茂はオフ中にバスケットをするな。ボールにも触るな」と言われたことは印象的だ。
長いシーズンを戦ったあとはバスケットを忘れろ、ボールに触りたくなる時期はおのずとやってくるのだから、といった意味合いだったように思うが、以来25年近く、オフにバスケットボールをしたことがない。それどころか、トレーニングすらしていない(だからキャンプの練習はついていくのに必死で、地獄である)。
「ディフェンスをしなかったら試合に出さない」 と言われたこともある。わたしは、反発しながらも彼に学んだ。
「打ち切る」哲学、結果ではない
そんなシャローの教えの中でも、もっとも大事にした考え方が「打ち切る」だった。 当然のことではあるが、シュートは外れることがある。
2019シーズンの得点ランキング1位のダバンテ・ガードナー選手は1試合平均23.4得点を記録したが、フィールド・ゴール(FG/2ポイントシュート)成功率は56%で、3ポイント成功率は28.2%。得点ランキング2位の日本代表ニック・ファジーカス選手は1試合平均23.2得点、FG成功率が51.4%、3ポイント成功率は41.9%(リーグ3位の記録)である。