やさしい株式投資のハナシ

 資産運用に興味があっても、初心者にとって株式投資のハードルは高いもの。本連載では、現役の証券アナリストが株式投資の魅力や付き合い方をやさしく伝えます。

政策の追い風が吹く電気自動車

 今回は、電気自動車や自動運転など次世代の自動車をテーマにした銘柄選びのお話をしたいと思います。

 新型コロナウイルスの影響で、世界の自動車販売台数は大きく落ち込みました。経済活動再開後には、中国などを筆頭に回復の傾向も出てきていますが、コロナ前の水準に戻るまではまだまだ時間がかかりそうです。

 そんな中で、電気自動車(EV)の販売が伸びています。2021年から欧州では排ガス規制が強化され、基準を満たせないメーカーには罰金が課せられることになっています。また、中国では補助金の支給や申請が必要なナンバープレートを取得しやすくする便宜が図られており、電気自動車に対する政策の追い風がさらに強化されています。

電気自動車政策の追い風を受け、販売台数を伸ばす電気自動車(EV)

 自動運転についても、日本では2020年4月からドライバーが前方を監視しなくても良い「レベル3」の自動運転が解禁されています。日産自動車は、今後発売する新車にはすべて簡易自動運転の機能を標準装備するとしており、自動運転もより身近なものになってきました

 電気自動車と自動運転は、今後も引き続き投資テーマとして注目できるでしょう。今回はそんな次世代の自動車に関連する、おすすめ銘柄を紹介していきます。

おすすめ① 日本電産(6594)

 まずは、日本電産をご紹介します。日本電産は、小型モーターでは世界一のシェアを誇る電子部品メーカーです。軽くて小型で省電力性に優れた低コストの精密モーターを作る技術を武器に、世界シェアを伸ばし続けてきました。創業者の永守重信代表取締役会長の、経営者としての手腕でも非常に有名です。

 電気自動車の部品点数は、ガソリン車の約3分の1にすぎません。極端なたとえですが、モーターとバッテリーと車体とタイヤさえあれば、ある程度組み立てることが可能です。そのためモーターやバッテリーで高いシェアを取る会社が、電気自動車市場の覇権を取ることができるのです。

 日本電産には、すでに多くの電気自動車メーカーから駆動用モーターの注文が殺到しています。加えて同社は、自動運転で使われるミリ波レーダー車載用のカメラモジュールといった電子部品も手掛けています。これらも自動車市場において、先行き期待の高い分野の一つと言えるでしょう。

 日本電産の9月21日の終値は10335円。最低投資単位は100株で、およそ104万円程度から投資できます。

日本電産(6594)の株価(日足、終値)
日本電産(6594)の株価(日足、終値)期間:2019年10月1日~2020年10月23日