遺族年金

 配偶者や親を亡くした時に利用できる、公的年金制度のひとつ「遺族基礎年金」。今回は遺族基礎年金で受け取れる金額や条件、受給資格などについて、国民年金第1号被保険者の遺族が受け取れる「死亡一時金」「寡婦年金」の制度とあわせて解説します。

子のない配偶者は受け取れない

 もし、家計を支える大黒柱が突然、亡くなってしまったら——。縁起でもない話ですが、どの家庭にも起こり得ることです。こうした万が一のことが起こってしまった時に、頼りになるのが「遺族基礎年金」です。

 国民年金に加入している親や配偶者が亡くなった際、残された家族は遺族基礎年金を受け取れる場合があります。

 遺族基礎年金は、「子のある配偶者」あるいは「子のみ」が受給できる年金です。したがって、「子のない配偶者」は受給できません。

遺族基礎年金の条件

遺族基礎年金の受給要件は?

 遺族基礎年金には、①亡くなった方の年金保険料の納付状況、②年金を受け取る方の家族構成の2つの受給要件があります。

①亡くなった方の年金保険料納付状況

 下記いずれかの条件を満たす必要があります。

  1. 被保険者(=亡くなった方)の死亡日の前日において、保険料納付済期間(免除、学生納付特例、納付猶予の期間を含む)が加入期間の3分の2以上
  2. 老齢基礎年金受給資格期間が25年以上ある方が死亡した時

 ただし、特例として2026年3月末までは、65歳未満であれば死亡日の前日において、死亡日の属する月の前々月までの直近の1年間に保険料の未納が無い場合も受給の対象になります。

②受け取る方の家族構成

 冒頭でも触れましたが、遺族基礎年金を受け取るには、下記どちらかの条件に該当することが必要です。

  1. 子のある配偶者(配偶者の収入は850万円以下が対象)
  2. 子(養子縁組をしていない配偶者の子(連れ子)は対象外)

 また配偶者が再婚した場合や、子が成長して「子の要件」=「18歳到達年度の末日(3月31日)を経過していない子または、20歳未満で障害等級1級または2級の障害者」を満たさなくなった場合には支給停止になります。