抗ウイルス薬「レムデシビル」の緊急使用を認可したトランプ大統領。その後、自身の治療にも投与された(写真:ロイター/アフロ)
世界保健機関(WHO)が10月15日に、新型コロナウイルス感染症の治療薬として日本で保険適用されているレムデシビルについて、死亡率を低下させる効果はない可能性があると発表した。このところ薬剤の効果に疑問が呈されたり、ワクチン開発を一時停止したりする動きが目立つ。レムデシビルはトランプ米国大統領の治療でも用いられたが、物言いが付いた格好だ。
ワクチンの早期実現に諦めが漂う中で、ハーバード大学教授らが訴えた「経済活動を重視せよ」という宣言がにわかに火種を生んでいる。開発中断などの動きや米国での混乱を踏まえつつ、新型コロナウイルス感染症対策の方向性について考察する。