株式会社学情は2020年8月、20代を対象におこなった「副業に関する意識調査」の結果を発表した。調査期間は2020年8月19~25日で、同社が運営する転職サイトの閲覧者427名から回答を得た。これにより、新型コロナウイルス感染症拡大やテレワーク推奨下における、20代の働き方に関する認識などが明らかになった。

回答者の7割以上が「副業」に前向き。スキルアップに意欲的な姿勢

 まず、「自身が勤務する企業で認められていたら、副業したいか」と聞いた。その結果、「副業したい」が40.3%、「どちらかと言えば副業したい」が32.1%という結果に。合計72.4%が「副業したい」という意向を示しており、副業に興味を持つ20代が多いことがわかる。

 回答者からは、「収入を増やしつつ、経験を積んでスキルを磨きたい」、「様々な経験を積むことで、自分のプラスにしたい」などの声が寄せられており、20代は「副業」をキャリアアップの1つの手段と考えているようだ。その反面、「若いうちは本業に集中したい」など副業に慎重な声も挙がり、社会人経験の浅さから、本業がおろそかになることを問題視している意見もあった。

副業したい理由は「収入を増やしたい」が最多。興味があるのは身近なあの仕事

 次に、「副業に興味を持つ理由」を聞いた。結果、最も多かったのが「収入を増やしたい」で67.3%、以下「収入を得る手段を複数持っておきたい」が59.9%、「好きなことや興味のある仕事に挑戦してみたい」が53.1%と続いた。収入を増やしつつ、興味のある仕事に挑戦してみたいという20代の意向がうかがえる。

 また、「副業」で興味のある仕事を聞くと、最多は「SNS運用」で37.9%、次いで「Web関連(Web制作・サイト制作)」が37.2%となった。SNSやWebサイトなど、普段から身近にあるものに興味を持っているようだ。

約5割がコロナ禍で「副業」の意識が変化したと回答。その理由とは

 また、新型コロナウイルス感染症拡大により、副業に対する意識に変化があったかを尋ねた。すると「変化した」が49.4%と、約半数が肯定した。

 変化した理由としては、「収入が減った」が最多の46%、次が「業界の先行きに不安を感じた」の43.6%で。この2つが他の理由と比べて突出している。回答者からは、「複数の収入があったほうが、もしものときに備えられる」、「自宅待機などで給与が減っているのを補いたい」などの声が聞かれ、安定した収入を求める人が多いことが判明した。

 新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、副業に対する意識が変化した20代はおよそ半数にのぼる。若い世代のキャリア育成や柔軟な働き方の提示という面からも、企業が従業員の副業に対して前向きな姿勢で臨むことが重要になりそうだ。

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HRプロ編集部

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