(大西康之:ジャーナリスト)
楽天モバイルは9月30日「データ通信と通話サービス使い放題で月額2980円」という第五世代携帯電話(5G)の新たな料金体系を発表した。NTTドコモ、au(KDDI)、ソフトバンクの「3大メガキャリア」が提供している5Gは、概ね月額1万円前後。菅義偉首相が「携帯料金値下げ」の旗を振る中、楽天の三木谷浩史会長兼社長は「お値段3分の1」の価格破壊をやってのけ、3メガに強烈なプレッシャーをかけた。日本の携帯市場は戦国時代に突入した。
4人家族なら4年で100万円以上のお得
「清水の舞台から飛び降りるつもりでやりました」
オンラインの記者会見に登場した三木谷氏は黒のTシャツにスニーカー。やる気満々の出で立ちだ。
「データ使い放題(「楽天リンク」というアプリを使った場合、通話もし放題)2980円」は、3メガにすれば「冗談じゃない」という料金設定である。同等のサービスをキャンペーン抜きの定額で利用した場合の月額は、ドコモ9350円、auとソフトバンクが10280円である。
「家族4人で使うと4年間で100万円以上、お得になります」
三木谷氏はネット配信のカメラに向かい、興奮気味にまくし立てた。楽天モバイルの戦略は安さだけでない。分かりやすさも特徴だ。
「携帯電話は分かりやすくて安いのが一番」
これまで携帯電話サービスはデータ容量は付帯サービスによって様々なプランがあり、消費者から見ると「どれが本当に安いのか分かりにくい」状態だった。楽天がこの日発表した5Gサービス「楽天アンリミットV(ファイブ)」はデータ通信使い放題月額2980円のワンプランだけである。一定期間、使い続けないと高い解約金を払わされる「縛り」もない。