高齢者

 高齢化の進む日本では、認知症になる人も徐々に増えてきています。認知症は、根治できないタイプのものも多く、症状を抑える、または進行を遅らせる治療が中心です。長期間治療を継続する可能性があるため、治療費などの心配も出てくるかもしれません。今回は認知症の治療でかかる費用に備える認知症保険についてご説明します。

日本人に増えてきている認知症とはどんなもの?

 認知症とは、アルツハイマー病といった病気などを原因に、日常生活や社会生活に支障が出るほど脳の働きが低下した状態のことをいいます。

 認知症で最も多い「アルツハイマー型認知症」、ついで「脳血管性認知症」、「レビー小体型認知症」など、原因となる病気による種類の違いがあります。症状も、記憶障害や失語、妄想や幻覚症状など、人により異なるようです。

 内閣府「平成29年版高齢社会白書」によると、2020年時点では65歳以上の高齢者のうち約6人に1人が認知症有病者であると推定され、有病者は年々増えていくとされています。

【図表1】65歳以上の認知症患者の推定者と推定有病率
【図表1】65歳以上の認知症患者の推定者と推定有病率出典:内閣府「平成29年版高齢社会白書」を基に作成

 また、日本では寝たきりなど介護が必要な期間が、男性は約8.8年、女性は約12.35年あるとされています。厚労省のデータによると、介護が必要となった原因で最も多いのは認知症ですので、認知症となった場合には治療に加えて長期的な介護も必要となる可能性があります。

【図表2】寝たきりなど介護が必要な期間
【図表2】寝たきりなど介護が必要な期間出典:厚生労働省「健康日本21(第二次)推進専門委員会 第12回」「平成28年簡易生命表の概況」を基に作成

 これらの認知症で必要となる費用に備える方法のひとつが「認知症保険」です。