(古森 義久:産経新聞ワシントン駐在客員特派員、麗澤大学特別教授)
「中国政府の新型コロナウイルスの隠蔽工作は全人類に対する犯罪だ」
イタリアの有力政治家によるこんな激しい糾弾の言葉が、欧米メディアで繰り返し報じられるようになった。
中国の習近平政権が当初、新型コロナウイルスの感染拡大を隠し、感染の状況などについて虚偽の情報を流していたことに対しては米国でも多方面から非難が浴びせられている。だが、「全人類への犯罪」という激しい表現はなかなか見当たらない。なぜこれほど厳しく中国を糾弾しているのか。
中国は「全人類に対する罪を犯した」
この言葉を発したのは、イタリアの前副首相で右派有力政党「同盟」の党首(書記長)、マッテオ・サルビーニ氏である。サルビーニ氏はイタリア議会などで次のように発言した。