初めての投資なら独身向け物件、専有面積20m2以上

 次に専有面積と間取りですが、できれば地方物件では、専有面積が20m2以上の物件をお勧めします。ファミリー層向けか独身層向けかで専有面積は変わってきますが、独身向けであっても20m2以上を勧める一番大きな理由に「お風呂とトイレの別」があります。設備としてはこのほかにオートロック、エアコン、室内洗濯機置場があるか、など見るべきところはありますが、20m2くらいの物件であれば、必ずお風呂とトイレが別に作り付けされています。
 何といっても「住み心地」は絶対外せません。借り手がいなければ始まりません。

 また、初めての投資であれば「独身向けワンルーム」がいいでしょう。日本全体の傾向として、人口減が進むことで世帯人数が減少し、高齢化も進んでいます。単身者向けは入居者ニーズが今後も大きくなると考えられ、なおかつファミリー向けに比べて投資金額も安く抑えられます。たとえ入居者が退去しても、単身者向けの物件は比較的回転率が高く、空室リスクも低いと考えられます。

新耐震基準を満たした築30年の物件が狙い目

 そして築年数。当然、古ければ価格も安い。しかしながら、価格が安ければいいわけではありません。その物件、耐震性は大丈夫ですか?

 建築基準法は1981年(昭和56年)6月に改正され、「震度6強以上の地震で倒壊しない」という基準が求められるようになりました。我が延岡市でも、忘れもしません。熊本大地震の4年前、夜中に震度5弱を記録したことがありました。以前の旧耐震基準の建物であれば倒壊の恐れがあったのか?と思うと、ゾッとします。

 火災保険に付帯する地震保険でも、築年数が証明されれば「建築年割引」が適用されて、安くなるのも意味がわかります。不動産投資では、最終的な出口戦略も大事なことです。実際に古い物件は売れにくい事実もあり、中古マンションはいざというときに売れないのではないかと不安に思う方もいらっしゃると思います。
 しかし、中古マンションでは、築年数がある程度経った物件になると、統計上は価格が下がりにくくなります。程度よくメンテナンスさえしていれば、決して売れないということはありません。購入する目安としての築年数は、価格が下がりにくく新耐震基準を満たしている築30~36年ぐらいが狙い目かと思います。

総戸数の多さで積立金の負担率が変わる

 最後に重要な点として、総戸数があります。これは絶対押さえていただきたい項目です。
 総戸数とは、マンション一棟の建物がいくつの戸数で建てられているのかを示します。

 上図の例では、総戸数は25戸とありますが、結論から申しますと、戸数は多ければ多いほど良い。なぜでしょうか? 総戸数は運用のバロメーターになるからです。
 マンションを購入すると、必ず納めなければならない積立金が発生します。将来発生する、マンション住人の共有部分などにかかる修繕費などの積立です。当然、全オーナーの負担になります。総戸数が少ないと、積立金の一人あたりの負担率も増えるわけです。
 特に長期運用を目指すのであれば、古い物件は特に注意しないと、「購入した後に積立金が上がった」というのもよくある話です。物件価格とのバランスを見て、総戸数と積立金についてもきちんと検討しましょう。

 次回も中古マンション投資をテーマに、賃貸状況などについて解説していきます。