家族の協力を得るために「数字を可視化してプレゼン」

 ──iDeCoなどで投資もしていらっしゃいます。なぜ、預貯金だけでなく投資もしてみようと思ったのでしょうか。

 もちこ 家計管理をしていくうちに、将来必要な教育費(10年後に1000万円)と、老後資金(30年後に6000万円)を預貯金だけで貯めるには、月々22万円もの積立が必要ということがわかり驚きました。そこでiDeCoやNISAをうまく活用し、長期で積立投資をすることで、毎月の積立金額を減らし、家計を少しでも楽にしたいと思ったのがきっかけです。

 シミュレーションしてみたところ、長期で資産運用すれば、月々の積立金額を半分ほどに抑えられる可能性があることがわかりました。現在は、老後資金のための積立金の半分(約8万円)を運用し、もう半分は予備として現金で貯めています。

月々の積立金額

 なおiDeCoで運用しているのは、先進国債券・株式、新興国債券・株式、国内債券・株式、国内REIT、海外REITのインデックスファンドです。それぞれのアセットごとに、信託報酬が最も安いファンドを選んで投資しています。

 積み立てのシミュレーションは、国税庁の資産運用シミュレーションのサイトや、野村証券のミライ電卓がとても便利でオススメです。年率利回りは3~4%でシミュレーションしています。

 【目的別】資産運用シミュレーションサイト4選

 ──家族に家計管理に協力してもらうコツはありますか?

 もちこ 我が家は結婚当初から、夫婦の財布を分けて管理しています。ネットなどで調べて出てくる家計管理のノウハウは夫婦でお財布をまとめている家庭向けのものが多く、はじめの頃はそんな家庭をうらやましく思うこともありました。

 とはいえ私が勝手に始めた貯金ゲームだったので、主人に無理強いもできません。「生活費は主人に負担してもらったまま、私が貯金を頑張ればいい!」と考えるようにしたら、気持ちが楽になりました。今となっては相手に節約を強いることなく、上手にやりくりできるようになったなぁと感じます。

 私の貯金がどんどん貯まっている様子を見て、だんだん主人にも「貯蓄や家計の見直しに励もう!」という気持ちが連鎖してきたようです。

 家計管理において、家族の理解や協力を得るのに苦労する人は多いと思います。相手に変わってもらうより自分が変わった方が早いかもしれませんが、もし説得を試みるとしたら、男性には口で説明するだけより、数字を可視化してプレゼンした方が効果的だと思います。

 たとえば、将来の家計の見通しを1枚の紙にまとめた「貯金シート」を作成し、「いつまでにいくら必要で、金額を期間で逆算すると月々こんなに貯金が必要なの! 私は老後資金を貯めているから、車関連費用や教育資金の積立を少し協力してもらえないかな?」などと提案してみるのがおすすめです。

 私はオリジナルの「貯金の仕組み化シート」を作成して使用しています。

貯金の仕組み化シートもちこさんオリジナルの「貯金の仕組み化シート」。もちこさんのブログから、無料ダウンロードが可能です

 ──これから貯金を頑張ろうとしている読者に向けて、アドバイスをお願いします。

 もちこ 家計管理というと、手を付けやすい食費や光熱費など変動費を削ろう! と思いがちですが、支出において大きな割合を占めている固定費をないがしろにせず、見直すことが一番の近道です。

  • 住居費の割合の確認
  • 保険の見直し
  • 通信費の見直し(家にいることが多いのであれば格安SIMとWi-Fi、外で使うことが多いなら大手キャリアでWi-Fiはカット)

 など。そして浮いたお金はそのまま使ってしまわないよう、自動積立定期預金などで天引きされるよう設定しましょう。そうすれば、「せっかく節約したのに使ってしまって貯金できなかった!」という事態を防げます。

 生活防衛資金が貯まり始め、使うまで時間が沢山ある資金ができたら、NISAやiDeCoを活用した積立投資を始めてみるのもおすすめです。まずは怖くない金額(ワンコインからなど)始めてみるのも勉強になるのではないでしょうか。