東京大学正門(撮影:川嶋諭)

 今回の「緊急事態宣言」いつまで続くのでしょうか。

 まずもって、連休明け解除はないようです。「1か月程度延長か?」といった報道も流れ始めました。それが開けたら、普通の生活に戻るのでしょうか?

 残念ながら日本の教育に関しては、5月7日以降に平常の状態に戻る目算はほぼありません。

 例えば、私の勤務する東京大学ではすでに前期の授業をすべて遠隔で行うことを決定しています。

 あるいは東京藝術大学は今年1年間、合奏の授業はすべて遠隔でのディスカッションやリポートで単位発給するとの通知を出したとのことです。

 小中高などの学校では、4月中の教育は自宅での自習プリント学習などで代替し、もし自習に不足があっても5月以降、教室で補うから大丈夫といった空気が、少し前まではあったように耳にします。

 しかし、5月7日から普通通りの学校生活が戻ると期待するのは、ほぼ不可能と言わざるを得ません。

 1学期、あるいは前期はもう無理とあきらめる人も増え、「9月入学説」なども流れ始めましたが、賞味期限2か月の風説と思います。7月には誰もそんなこと言わなくなるでしょう。

 東大を含め、一部にはカレンダー通りに進んでいる教育機関がありますし、一部に9月にスタートするところがあっても、9月にコロナ収拾の目処などついているわけがないのは、誰の目にも明らかだから。

 4月半ば以降「今から2週間の皆さんの行動がすべてを決めます」といったセリフをメディアで目にしますが、単にミスリーディングと言うしかない。

 ゴールデンウイークのウイルス蔓延を予防する必要があるのは、言うまでもありません。しかし5月以降「1学期」に相当する時期に、学校を再開できる見通しが立たないのは3月時点で明確に予測のついていたことです。

 これから5月初頭の連休に、観光地に群がる日本人の残念な行動が観測され、そうした映像が報道される可能性があるでしょう。

 しかし、それだから5月7日以降も学校を再開できなくなったわけでは、決してないことをあらかじめ指摘しておかねばなりません。