つみたてNISAを考える

〈つみたてNISAの特徴〉

対象 20歳以上なら誰でも
利用 年間、1人に付き1口座に限られます。
翌年になれば、金融機関を変えることもできます。
いつから 2037年までなら、いつでも
いつまで 2020年の投資は2039年まで非課税
2037年の投資は2056年まで非課税
いくらから 金融機関によっては毎月1,000円から1,000円単位
いくらまで 毎月33,000円まで(年40万円)
増額月 金融機関によっては設けることができる
投資方法 「定期的な」積み立てに限ります
ワンショットやスポットの増額はできません
対象の商品 181本。うちバランスファンドは82本。
(2020年4月1日現在)。
メリット 売却した時の利益や普通分配金、いずれも非課税。
対象の商品が少ないから、選ぶのに迷いが少ない。
手数料(いわゆるコスト)が非常に安い。
デメリット 非課税の期間をフルに活かすことを思うと若い人向け。
損益通算ができません。
利益が出て、初めて非課税のメリットを生かすことができます。
筆者好みの商品がない(←聞いてないから!)。
解約など いつでも解約できます。
例えば、積み立てを止めて、ファンドのまま寝かせておくこともできます。
いったん解約し、現金化して引き出すこともできますし、その後も積み立てを続けることもできます。

 毎月の積立投資で検討したいのが「つみたてNISA」です。
 「つみたてNISA」について、筆者なりに表にまとめてみました。
 真面目な読者の皆さまなら見慣れているであろう、金融庁の「つみたてNISA」の表とは異なりますね。はい、筆者なりのまとめ方ですから。金融庁から頼まれて、つみたてNISAを推奨しているわけではありませんので。

 つみたてNISAの最大のメリットは対象となっている商品が少ないこと(そこ?)。さすがに181本、全てを取り扱っている金融機関はないと思いますし、バランスファンドなら82本です。
 金融機関ごとに取り扱っている商品は、決して多くはないはずです。
なので、絞り込まれた中から選ぶことができますから、迷いが少ないと思います。

 原則として途中で解約できないiDeCo(イデコ、個人型確定拠出年金)とは異なり、年齢の上限や属性などによる拠出限度額の違いもありませんし、解約して引き出すのも自由です。それに何といっても(金融機関にもよりますが)1,000円から始められます。
 非課税の期間をフルに活かすことを考えると、長生きのモチベーションになりますかね?
 今、60歳の方の、非課税期間の満了時には96歳ですからね。

 なお、投資信託(=ファンド)は、ひとつの商品に販売会社・運用会社・信託銀行の3つの会社が関わっているので、どうしても手数料(=コスト)が掛かるのですが、つみたてNISAは、その手数料が非常に安く抑えられています。手数料を非常に安く抑えることが「つみたてNISAの対象」になる条件なのです。手数料が抑えられているのは、投資をする人にとっては大きなメリットです。

 定年が間近で、でも投資経験がないという方は、投資はつみたてNISAから始めてみても良いかもしれませんね。

 ところで、表の中にある「筆者好みの商品がない」という、さりげない(?)記述を気にされた方はいらっしゃいますか?
 積立投資で長い時間をかけて大きなパフォーマンス(=運用の結果)を得ることを思うと、バランスファンドのようなリスクを抑えた商品や、つみたてNISAの対象になっているような優等生的な商品だけではなく、長い目で見たら大きく上がるかもしれない、思いっきりハイリスクな商品もあると良いのですが。

まとまった現金がないから積立投資?

 ところで、本稿では「子育てが終わったけど、定年が近づいているけれど……老後資金が足りないかも?」というテーマで、「定年が近いけど、まとまった現金のない方」を対象に、つみたてNISAを提案してみました。

 つみたてNISAを含む積立投資を提案するのは、「まとまった現金がない」からという消極的な理由だけではありません。

 積立投資は「投資の経験がない」方や「投資に必要な情報を収集をするのが難しい」方にこそ、お勧めしたい投資方法です。

 次回は、筆者と同年代(30歳代~40歳代半ば)のDINKSや独身の方の投資について書いてみますが、さまざまな年代の方々に読んでいただきたいと思います。
 と申しますのも、最近では積立投資にも賛否両論があるようですから、あらためて積立投資の良さについてお伝えしたいと思っています。

 そこで、次回のタイトルは「見せてもらおうか! 積立投資の実力とやらを」です。
 (うん? どこかで似たようなセリフを聞いたことがあるような? 赤い服を着て書くことにします)。