エン・ジャパン株式会社は2020年4月、「新型コロナウイルスへの対応」に関する調査結果を発表。同社が運営する人事向け総合サイト「人事のミカタ」を利用する企業542社の人事担当者を対象としたもので、調査期間は2020年3月25~30日。この調査により、新型コロナウイルスによる企業への影響と対応状況の実態が明らかとなった。

5割以上が「ある」と回答した新型コロナウイルスの影響

 新型コロナウイルス感染症の脅威が猛威を振るうなか、企業にはどれほどの影響が出ているのだろうか。最初に「新型コロナウイルスの影響の有無」を聞くと、すでに「影響が出ている」と回答した企業は、全体で56%にも及んだ。また、「今後出る可能性がある」との回答も35%あり、何らかの影響がこれから先出ることを予想する企業もあるようだ。また従業員数別に見ると、300名以上の企業で影響を受けている割合が高いことがわかる。

「売上の減少」を実感する企業は7割。「社員の休暇取得」も懸念


 次に、先の設問で「影響が出ている」、「今後影響が出る可能性がある」と回答した企業に対し、具体的な影響について質問した。最も多かったのが「業績への影響(売上減少)」で70%という結果に。次いで「展示会・イベントの中止」が46%、「小学生以下の子供を持つ社員の休暇取得」が26%となった。この結果から、業績以外にも多方面での影響を懸念する様子が見えてくる。

すでに8割以上が「新型コロナウイルスへの対応」を実施

 続いて、「新型コロナウイルスへの対応状況」について調査した。その結果、「既に対応している」が86%にのぼることが判明。従業員数が多い企業ほど対応の実施率が高いことも明るみになった。緊急事態を受け、ほとんどの企業が積極的に対策を取っているようだ。

新型コロナウイルスへの企業の対応は「手洗い・うがいの啓蒙」がトップに


 上の設問で、「既に対応している」または「これから対応する」と回答した企業に対し、具体的な対策内容を聞くと、「手洗い・うがい・消毒の社内啓蒙」と回答した企業が91%で最多。2位以降は「社員へのマスク配布やアルコール消毒の設置」が77%、「発熱がある社員の出勤自粛、自宅待機、休業指示」が74%と続いている。

 また、「対応検討中」の企業からは、具体的な対応として「リモートワーク・在宅勤務の開始」を検討している声が多くあげられた。

「罹患者が発生した場合」や「給与補償」を懸念する声も

 最後に、現在の懸念点や不安なことに対する自由回答では、以下のような意見があげられている。

・社員感染時の対応、影響への懸念
「今後社内で罹患者が発生した場合、濃厚接触者として出勤停止などの処置をどの範囲までするべきか、判断に戸惑う。」

・社内対応への懸念
「業務上の機密の観点からテレワークができない社員が多いため、対応方法が悩ましい。また、コロナ検査ができない発熱者もいるため、会社指示で休ませる範囲や給与を保証する範囲が明確に定まらない。」

・社員への懸念
「公私ともに3密を避けるよう促してはいるが、社員間で意識にばらつきがある。社内に罹患が広がり、事業所が閉鎖されることが心配だ。」

「新人社員研修の中止が決定したため、今後社員定着率に影響が出るのではないかという不安がある。」

 新型コロナウイルス感染症拡大により、経済に与える影響は長期化することが予測される。先々の影響を予測しつつ、状況に応じた適切な対応をすることが、今後ますます求められるだろう。

 

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HRプロ編集部

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