テーマ型ファンドとは
テーマ型ファンドは、その時々の話題性のある旬なテーマに着目してファンドを設定します。最近では、AIやロボット、宇宙開発などをテーマにしたファンドがあります。少し前ですと、バイオやシェールオイルなどをテーマにしたものがありました。
また、ESG(環境・ガバナンス)に配慮する企業に投資をするファンドもあります。地域に着目したものでは、少し古いですがBRICs(中国やブラジルなど新興4カ国)に投資するファンドもありました。
テーマ型ファンドの特徴
AIやロボットなど特定の業種に着目して設定されたテーマ型ファンドの信託期間は、10年程度が一般的。上記のターゲットイヤー型ファンドにくらべ、信託期間(運用期間)が短い特徴があります。
また、テーマ型ファンドの多くは、ファンドマネージャーが銘柄を独自に選定するアクティブ運用です。従って、販売手数料や信託報酬などの運用コストは、市場全体に投資するため銘柄選定を行わないインデックス型ファンドに比べて割高の傾向にあります。
アクティブ運用・インデックス運用の詳しい解説は、第7回の記事をご参照ください。
テーマ型ファンドの注意点
テーマ型ファンドは、今後急成長が期待できる分野をテーマに設定します。ですから、投資先の企業の株価が実力(収益や売り上げなど)以上に評価されているケースも多々あります。
そのテーマのブームが去った後(投資家が冷静になった時)、その企業の実力にあった評価をされ株価が大きく調整(値下がり)するリスクがあります。ブームが10年(信託期間)続くことは無いと考えておいた方が賢明です。
投資信託のメリットは、「長期に分散投資することでリスクを下げ、安定的な収益を目指す」運用ができる点です。一方、あるテーマに集中して投資することは、短期の値上がりに期待して投資する個別株投資に近いスタイルです。ひいては、価格変動リスクの上昇につながりかねない点に注意が必要です。
わかりやすいファンドでも、投資判断は慎重に
「ターゲットイヤー型ファンド」「テーマ型ファンド」ともに、金融機関から説明されるとわかりやすいファンドのように感じるかもしれません。上記の特徴や注意点を参考に、投資を考えていただければ幸いです。
次回は投資信託の分類方法として、「社債投資信託」と「株式投資信託」についてみていきます。