26日のNY市場は、この日から始まったFOMCの行方をにらみながら、ドル売りの動きが優勢となった。ただ、全般的には明日の結果発表を見極めたいとのムードも強く、動き自体は小幅。ユーロドルは中東勢の買いも観測され、強い動きが続いていたが、1.4650の水準は強いレジスタンスとなっていた。

一方、円相場は往って来いの動き。序盤に円売りの動きが強まった。特段の材料は無かったものの、NY株式市場でダウ平均の上げ幅が一時130ドルまで拡大したことから、リスク選好の動きも見られたようだ。ただ、米国債利回りが低下を続けていたことから、ドル円の下げが圧迫し、後半になって失速し、上げを失っている。

ドル円は82円の壁に抑えられた後、81.50近辺まで下落。ユーロ円は120円の壁に拒まれ、119円台前半に戻す動きとなった。

◆都合のよい材料はいくらでも
いよいよ明日はFOMCの結果発表。大きな変化日になりそうな気配もある。

明日の現地時間12時30分頃(日本時間28日1時30分頃)に結果が発表され、そして、今回からバーナンキ議長の会見が、現地時間午後2時15分頃(日本時間28日3時15分頃)から実施される。議長会見は原則年4回、2日間に渡って開かれるFOMC時に実施される。

最も可能性の高そうなシナリオとしては、量的緩和第2弾(QE2)は、コミット通り、6月末まで継続するが、それ以上は実施しない。しかし、出口戦略には至らず、超低金利の慎重姿勢は維持したまま、様子を見るとのシナリオが有力と思われる。

素直に反応すればドル売りということになりそうだが、だいぶ織り込まれている節もあり、バーナンキ議長の会見次第では、反応は未知数な部分もある。

逆行となれば、ユーロドルの巻き返しが想定されるが、ギリシャの債務再編問題など都合のよい材料はいくらでもある。債務再編問題に関して、ゴンサレス・パラモECB専務理事は、同国の債務再編はリーマン・ブラザーズの破綻よりも大きな混乱を市場にもたらす恐れがあると述べていた。きょうも重債務国の国債利回りは上昇を続けており、予断を許さない状況に変わりはない。

いずれにしろ、反応を見極めてからの対応が無難なようだ。

(Klugシニアアナリスト 野沢卓美)