有事に強いとはいえないビットコイン

 正解はこちらです。

【正解】2020年1月2日~2月25日
2020年2月1日~2月25日 ※ビットコインはbitFlyerのレート

 値動きが激しい①はビットコインでした。

 ビットコインといえば、年明けにこんな記事を書きました。年明けの話題は新型コロナウイルスではなく、イラン情勢の緊迫化でしたね。今となってはずいぶん前のことに思えます。

 イラン情勢の緊迫化で金とビットコインはこう動いた

 このときは「有事のビットコインと呼ばれる日が来るかもしれません」と書きました。実際に2月中旬までは1BTC=110万円を超えて、海外のメディアでも「ビットコインは資金の避難先」と書かれていた記事を見かけましたが、2月24日以降は大きく値下がりしました。ビットコインはある時期までは「避難先」だったけれど、感染の可能性が高まった今となっては「ビットコインからどこへ避難するか?」と多くの投資家が考えているのかもしれません。
 一方、「資金の避難先」の元祖ともいえる「有事の金」は、ビットコインほどは下落しませんでした。現時点では、市場のリスクが高まったときに買われる資産として、金に一日の長があるといえそうです。

 日本、米国、中国の株価の動きに違いが出たのも興味深い現象です。米国株式はつい先日まで史上最高値を更新し続けていましたが、この2日間で大きく落としてしまいました。日本も米国に追随する値動きとなりました。
 一方、今回の新型肺炎の震源地である中国の株価は、2月以降は日米に比べると堅調に推移しています。中国経済に対しては、悪い材料は出尽くしたという判断なのかもしれません。とはいえ、新型コロナウイルスの蔓延が収束しなければ中国経済が停滞することは避けられず、今後も株価が急落する可能性を考慮しておいた方がよさそうです。

 産業が停滞する局面で価格が暴落しやすいのが原油です。原油については需要の増減に合わせてOPEC(石油輸出国機構)が増産や減産を行い、価格の安定化を図っていますが、突発的な事態に対してすぐに対応できるわけではありません。今後、株価がさらに下がるような状況になれば、原油価格ももう一段下まで下がることもあり得ます。

 ドル/円の為替レートは、2月1日以降2%ほど円安が進みました。24日以降円高に転じたのは、日本円が「安全資産」とみなされていることの表れでしょう。株式などのいわゆるリスク資産を売って日本円を売るという動きは、過去の金融危機にも見られたことです。

値動きを味方にする積立投資、値上がりを見込む一括投資

 猛威をふるっている新型コロナウイルスも、過去のさまざまな感染症と同じく、いつかは必ず落ち着くはずです。
株価もいつまでも下がり続けるわけではありません。普段の生活だけでなく、資産運用においても新型肺炎への対策を行いたいものです。

 考え方は2通りあると思います。
ひとつは、値動きを味方にする積立投資です。株価が上がったり下がったりを繰り返すときこそ、「上がったときは少なく、下がったときは多く買える」という積立投資の威力が発揮されます。

 もうひとつは、値下がりからの回復を狙う長期投資です。株価の「底」を当てるのは難しいですが、少なくとも「ある時期より値下がりした」というのが確かなら、今から株式を買って、それがもとの株価に戻るだけでも利益が出ます。ある程度下がったところで株式や投資信託などに一括投資して、気長に値上がりを待つという方法も有効だと考えられます。

 新型コロナウイルスのせいで旅行やライブへ行けなくて悲しいという方は、この災いをせめて少しでもプラスに変えるよう、資産運用にひと工夫加えてみるといいかもしれませんね。