アクティブラーニングを通じて強固なチームづくりを図る
続いて午後は、チームビルディングを目的とした「ワーケーション」を実施した。舞台となった『ライジングフィールド軽井沢』は、軽井沢の広大な国有林内に位置するアウトドアリゾートで、家族や仲間と自然体験ができるキャンプフィールドをはじめ、チームビルディング向けのアクティビティも豊富なため、企業の研修や合宿などにも利用されている人気の施設だ。一行は現地に到着すると、ライジングフィールド代表・森和成氏のガイドの下、早速フィールドワークを開始。50年以上前に廃線となった草軽電気鉄道の線路跡探索トレッキングでは、足場の悪い山道を、互いに声を掛け合い、手を取り合いながら踏破し、2社間でコミュニケーションを深めた。さらにその後はアドベンチャー施設(アスレチックとは異なる)を活用したアドベンチャーにも挑戦。与えられたミッションを達成すべく、全員で知恵や力を出し合い、大型のシーソーやターザンロープと格闘するなど、日が暮れるまでアクティビティを満喫した。これらアクティブラーニングでは、戦略的思考やリーダーシップ、チャレンジスピリット、チームへの貢献度などが試された。また、会社や役職などの垣根を越え、互いに遠慮なく意見をぶつけ合うことで、より相互理解を深めることができたようだ。
東急シェアリング・営業推進部 兼 新規事業開発部の波多野佑介氏は、「互いに手を取り合い、成功したり失敗したりを繰り返して、とにかく面白かったです。結局、体を動かすことが一番距離を縮めるのだと実感しました。また、それぞれの役割が明確になったり、普段オフィスでは見られない一面が見えたりと、良い意味で皆さんの印象が変わりました」と笑顔で話す。東急電鉄・人材戦略室 人事開発部 統括部長の小野隆憲氏は、「こういった非日常的な場所で、みんなで一つのことに向かって協力し合うことで、新しい刺激や発想を得ることができました。また私の部署は日頃から若手ともフランクに話をすることが多く、風通しは良い方だと思うのですが、スーツを脱ぎ、普段着姿で交流を図ることで、より一層コミュニケーションが促進されると感じました」と振り返った。
株式会社ライジングフィールド
代表取締役社長 森和成氏
大自然の中に身を置くと、人間は自然と心がオープンになります。そしてそこでチームビルディングやディスカッションを行えば、お互いのことをより理解し合えます。多くの日本人は、仕事は仕事、プライベートはプライベートと、分けて考えがちですが、本来仕事とプライベートは繋がり合っているもの。両者をシンクロさせることができれば、人間はもっと豊かに生きられるでしょう。ライジングフィールドはそれを実現させる場所です。企業研修でお越しの際は、ご家族連れでも構いません。お父さんやお母さんがアクティブラーニングに精を出している間、お子さんたちには自然体験活動を通じて、生きる力を高めていただきます。会社の成長とともに、家族の成長にもお役だてください。
ワーケーションは 多様な働き方の選択肢の一つ
アクティブラーニング終了後は、引き続きライジングフィールド内の多目的ホールにてディスカッションを実施。東急電鉄からは改めて人事課題と、ワーケーション導入の狙いについて話され、さらに全員で1日を振り返り、良かった点や導入する上での課題点など、さまざまな議論が交わされた。そしてディスカッション終了後は、ガーデンラウンジにてBBQパーティーを開催。御馳走と焚火を囲いながら、互いの労をねぎらい、親睦を深めた。
『東急バケーションズ軽井沢』での宿泊を挟み、2日目はイノベーションの促進を目的に視察を兼ねた「ワーケーション」を実施。人気のブック&カフェ『軽井沢書店』でのテレワーク体験をはじめ、昨今話題となっている充実の農産物直売所『軽井沢発地市庭』や軽井沢を代表する老舗ホテル『万平ホテル』などを見て回り、各自充実した時間を過ごした。
この2日間を振り返り、東急電鉄・人材戦略室 人事開発部 統括部長の小野氏は、「他社と合同で行ったことにも意義があったと思います。同じグループであっても、立場が違う中で、互いに忌憚のない意見を言い合うことができ、新しい見方が得られた。こういう場所だからこそ、よりオープンマインドになってコミュニケーションが促進されるのでしょう。非常に収穫の多い2日間でした」と締めくくった。
小野氏が語るように、大自然の中で働く第一のメリットは、個々が殻を破ることで普段以上にコミュニケーションが取りやすくなることだろう。また都会では得られない刺激や発見が得られ、ひいてはそれがイノベーションのきっかけに繋がるかもしれない。今回の事例のようにワーケーションはさまざまなメリットをもたらすが、あくまでも多様な働き方の選択肢の一つである。重要なのは、それを社員自らが選択するということだ。ワーケーションを通じて、働き方がどう変わるのか、そして何が得られるのかを実感するためにも、まずは体験してみてはいかがだろうか。