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 関西電力による金品授受問題を受け、関西財界で一人の弁護士の存在がクローズアップされている。

 小林敬氏――。彼は大阪に拠点を持ついわゆる〝ヤメ検″の弁護士である。

 小林氏は関西電力の金品授受問題に関し「調査委員会」の委員長を務めていたが、さらに別の企業不祥事でも調査に携わっていた。積水ハウスが55億円もの損失を出したあの「地面師事件」でも、被害にあった同社の「調査対策委員会」の委員を務めていたのだ。

 どちらの事件も企業の「隠ぺい体質」が指摘され、その姿勢が批判されている。そして、その両社の調査に関わっていた小林氏の行動に、一部で疑問の目が向けられている。

関電事件と積水ハウス「地面師」事件

 関西電力の問題では小林氏が委員長を務めた「調査委員会」での調査の杜撰さが批判されているが、積水ハウスの地面師事件においても全容解明を目指した「調査報告書」について、その公表を頑なに反対した一人として、調査対策委員会のメンバーの「不評を買っていた」というのである。

 事情に詳しい積水ハウスの幹部が言う。

「積水ハウスの地面師事件では、調査対策委員会が取締役会に提出した『調査報告書』が公表されないままになっている。このため国内外の株主や一部のマスコミからは『隠ぺい体質』『コーポレートガバナンスの不全』と指摘され、関西電力と同じ批判が巻き起こっています。

 積水ハウスが「調査報告書」を公表しないのは現経営陣が拒否しているからです。しかし実は当初、調査対策委員会では独自に「調査報告書」を公表しようという動きがありましたが、実現しませんでした。その背景には小林弁護士の存在があったとされています」

 関電と言い、積水ハウスと言い、その隠ぺい体質と批判を受ける問題の背後に小林弁護士がいると目されるのはなぜなのか。いったい小林弁護士とは何者なのだろうか。