経営再建中のジャパンディスプレイ(JDI)は、9月26日に中国ファンドの嘉実基金管理グループ(ハーベストGr)から、金融支援を見送る、との通知を受けたと発表した。株主総会の前日である。
これでJDIの再建案は、二転三転どころか、七転びし白紙に戻った。
中国ファンドに翻弄されてきたJDIは、蟻地獄に落ち込み這い出せなくなっている。これは「中国式交渉」である。契約を重んじ、契約条項に則ってすすめる「西洋式交渉」とは全く異なる。
JDIは、このままずるずると砂の渦に飲み込まれていくのだろうか。それとも、何か這い上がる術は残されているのだろうか?
不幸にも当たってしまった予想
まず中国ファンドが離脱したJDIを巡る状況を【図1】に示しておく。
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JDIは、8月に嘉実基金と香港ファンドのオアシス・マネジメントで構成する企業連合「Suwaインベストメントホールディングス」と800億円の支援受け入れで契約を結んだ。800億円のうち嘉実基金が約600億円(米アップルからの100億円強含む)、オアシスが160億円以上出資する計画であった。
著者は、嘉実基金がJDIへ出資する確率は非常に低いと予測したが、不幸にも当たってしまった。その根拠は、企業連合「Suwa」のウィンストン・リー最高経営責任者(CEO)のインタビュー時の発言に信ぴょう性が無く、むしろ不安をあおってしまったからだ。
参考記事;中国製有機EL採用でiPhoneは復活できるのか」
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/57470