(写真はイメージ)

(筆坂 秀世:元参議院議員、政治評論家)

 私は芸能界のことも、テレビ業界のこともよく知らない門外漢である。だが最近、気になる芸能ニュースが多い。SMAP元メンバーと女優の「のん」さんへの圧力問題、吉本興業所属芸人と反社会的勢力の関わり等々である。

公取委がジャニーズ事務所に注意

 ジャニーズ事務所が民放テレビ局に対して、SMAP元メンバーの稲垣吾郎さん、草彅剛さん、香取慎吾さんの3人を出演させないよう圧力をかけていた疑いがあるとして、公正取引委員会が調査を行い、独占禁止法違反はなかったが違反につながるおそれがあるとして注意を行っていたことが、7月中旬に明らかになった。

 3人はジャニーズ事務所を辞めた後、元マネージャーが立ち上げた事務所に所属していたそうだが、3人がレギュラー出演していた民放番組が打ち切りになり、その後、新番組が立ち上がることもなかったようだ。

 もちろんジャニーズ事務所は圧力を否定しているが、まったく何もなければ公取委が調査することもなかっただろう。おそらくたれ込みがあったのではないか。

 それはともかくとして、このニュースを聞いたときの感想は、「やっぱりな」というものであった。日本テレビ系の朝の番組「スッキリ」でMCを務める加藤浩次さんがこの問題に言及し、「ジャニーズ事務所に限らず(芸能界では)周知なんですよ。大手の事務所を独立したタレントは何年かテレビに出られなくなるのは、見ている方も気付いていると思う」と語った。加藤さんは、こうした独占禁止法違反につながる恐れのある実態について「芸能界、テレビの歴史の中で当たり前のように扱っているが、今の時代おかしいんじゃないかっていう部分もある。業界が変わるきっかけになれば」と発言し、話題になった。勇気ある発言だったと思う。