遠藤航。1993年2月9日生まれ、湘南ベルマーレ、浦和レッズで中心選手として活躍し、2018年よりシントトロイデンでプレー。日本代表としてもロシアW杯、先のアジアカップなどに選出。(写真:写真:JFA/アフロ)

ベルギーリーグ・シントトロイデンで1シーズンを戦った遠藤航と、元日本代表・岩政大樹の『PITCH LEVELラボ』対談。後編は、日本の守備と世界の守備の違いについて――。

前編はこちら「遠藤航が体感した、世界と日本の守り方の違い」

■海外のサッカーを観てると「カバーの意識がない」ように見える

岩政:この対談をするにあたって『PITCH LEVELラボ』のほうにたくさん質問が来ていて・・・ひとつだけ。「欧州の守備のやり方(1対1重視)、日本の守備のやり方(チャレンジ&カバー)、それぞれのやり方の長所と短所、日本代表が目指すべきやり方を教えてください」ということなんですが、――やっぱり向こうは1対1の感覚は強いですか。

遠藤:ありますね。

岩政:これは、レベルによっても違うかもしれないんですけど、海外のサッカーを観ているとカバーの意識は少ないな、と感じるんです。例えば、一人がかわされましたとき、そのあと誰もカバーのポジションを取っていない、とか。

遠藤:(日本のようには)取っていないですね。

岩政:ただ、反応が早い気がする。

遠藤:確かに、そうですね。

岩政:この二つの感覚、ありますか?

遠藤:あります。言い方は悪いんですけど「なんとかできちゃう」みたいなところはあります。やっぱり能力がある、と思いますね。

岩政:能力か。それは、日本だと・・・何ていうのかな・・・かわされた瞬間に(フォローするまで)ひと呼吸ある、向こうはかわされた瞬間に次の選手が「あ、来そうだ」という、スタートが早いというか。ポジションはあまり取れていなくても、――能力を含めてですけど――瞬間的に次が来ているような気がしてるんですよ。

遠藤:そうですね。1対1のシチュエーションが多いので・・・

岩政:ああ、そうか。逆にね。

遠藤:その感覚が優れているというか。ポジショニングが悪くても、「こいつ抜かれそうだな」「あ、この持たれ方だとここくるな」みたいな、予測力が、向こうの選手は優れていると思うんですよ。

岩政:ああ、なるほど。