計画停電が3日目に入った。混乱を極めていた14日の導入当初からすると、事態はかなり改善し、当初はほとんどが止まっていた首都圏の鉄道も、一部で運休や間引き運転があるとはいえ、平常運転に戻りつつある。
突然の停電に首都圏の鉄道はマヒ
果たして、この計画停電、あわてて導入する必要があったのか。改めて検証してみたい。まずは簡単にこの2日間を振り返ろう。
導入初日の14日は、東京電力が国交省に事前連絡していなかったため、鉄道各社は安全な運行ができないとして、ほとんどの路線が休止となった。
このため、首都圏のビジネスはほぼストップ。休日に近い状態となったことから電力需要が東電の予測していたほど伸びず、この日の計画停電は結局、休止となった。
2日目は、間引き運転が多かったとはいえ、ほとんどの鉄道が動き始めたため電力需要が増え、計画停電が実施された。しかし、多くの企業と家庭が節電に努めたため、実施されなかった計画停電地域が多かった。
3日目は、鉄道各線が平常運転に戻りつつあるものの、少なくとも午前中の段階で電力需要は東京電力の供給量を下回り、計画停電は見送られている。
民間の節電努力で停電は回避できる
このように見てくると、計画停電をあわてて導入する必要はなかったのではないか。民間の電力需要者に対し、「これくらいの節電をお願いします」と具体的な目標を提示すれば、停電は回避できたはずである。
一例として、JBpressでは節電の試算をしたのでご紹介しよう。