房総半島の養老渓谷で観察される地層「千葉セクション」で、最も最近に起きた約78万前の「地磁気反転」の痕跡が確認できます。
これを全世界の標準として「国際標準模式層断面および地点=Global Boundary Stratotype Section and Point=GSSP」に指定する動きがある一方、それがにわかに困難になっているらしいことなどを前回記しました。
前項を執筆した時点では、科学的な内容は理解していましたので、それを主として記し、また今回もその続稿をお届けします。
しかし、なぜ「GSSP指定がにわかに困難」になっているのか、そのローカルな詳細には、必ずしも通じていませんでしたので、少し詳しく調べてみました。
結論として、ここに記す価値のある話は何もないことが分かりましたので、冒頭にそれを記しておきたいと思います。
どういうことか?
当該地域は、特別天然記念物指定を前提に公有地化が進められていたようです。
ところが一部民有地部分に関して、その借地権を「反対派」なる個人が取得し、GSSP認定の要件になっている「現地への自由な立ち入り」ができないような画策をしたことから、登録申請が継続できなくなってしまった、というものなのですが・・・。
「科学的に何か見るべき点があるか?」と問われれば、率直に言って、大局からみて問題になることは何もありません。
そもそも前回のコラムは、JBpress連載でもおなじみの宇宙物理学者、小谷太郎氏がSNS上でこの問題に言及しているのを目にしたことから記したものでした。
小谷君は私には物理学科時代の1年後輩で30数年来の友人ですが、「科学的に見るべきことがあるか?」と問うていたので、大局的な見地から見て、まずもって「ない」と返信したことがきっかけで準備しました。