(花園 祐:中国在住ジャーナリスト)

 中国国家統計局は5月14日、2018年の国内賃金給与に関する統計を発表しました。発表データによると、民間法人就業者の全国平均年収は4万9575元(約79万3200円、1元=16円で計算)となり、名目ベースで前年比8.3%上昇しました。また一定規模以上企業(年間主要営業収入が2000万元=約3.2憶円以上)の就業者は同11%増の6万8380元(約109万4080円)と、2桁超の伸びとなりました。

 中国では経済成長とともに人件費の高騰が続いており、現地で製造を行う日系メーカーにとっても悩みの種となっています。そこで今回は、中国の各種賃金統計を、日本の賃金統計とも比較しながら解説していきたいと思います。

中国の管理職の年収は?

 中国の賃金統計で一般的に用いられる一定規模以上企業の賃金統計からみていきます。

 まず地域別にみると、上海をはじめとする沿岸部を含む東部地域の平均賃金が最も高く、西部、東北、中部の順番で続いていきます。業種別では、当然ながら中級以上管理職が14万5125元(約232万2000円)で最も高く、次いで専門技術職、事務関連職、生産製造職、生活サービス職となっています。

 注目すべきは中級以上管理職の賃金水準で、前述の通り日本円に換算すると200万円の大台を突破しています。為替次第ではさらに上昇する可能性もあり、中国の中級以上管理職は概ね日本の大卒1年目並の給与を得るようになっていると解釈できるでしょう。