天皇陛下の即位祝う一般参賀 「世界の平和を求めつつ、一層の発展を」とお言葉

皇居で行われた天皇陛下の即位を祝う一般参賀に出席された天皇、皇后両陛下と秋篠宮皇嗣殿下(左、2019年5月4日撮影)。(c)Behrouz MEHRI / AFP〔AFPBB News

 5月1日零時の新天皇陛下のご即位で令和時代が幕開けした。

 御代替わりというエポックメイキングな事象に、国民は平成時代を懐かしさとともに回顧しつつ、新時代に期待と変化を求めているように思えた。

 そうした国民の姿を世の木鐸とされるマスコミ、中でも新聞は掬い上げ、社の基底を流れる考え方と照合しつつ、国家・社会のあるべき姿などについて書くことは、このときだからこそ国民の関心を呼び、意義も大きいに違いない。

 それは大きくは上皇となられた先の天皇の「象徴」としての振る舞いであり、そこから導かれる「令和時代」の天皇の在り方、特に国民との関わり方などではないだろうか。

 そうした視点から、新天皇への皇位の継承に伴う「剣璽等承継の儀」と、国民の代表と初めて面会される「即位後朝見の儀」が行われた初日5月1日と翌2日付新聞の「社説」と一般記事、さらに初めて国民の前に姿を見せられた一般参賀の報道は見逃せない重要性を持っている。

御代替わりの「社説」を読む

 この視点から、全国版6紙(東京新聞を含む)の社説(産経は「主張」)を通覧すると、朝日新聞を除く5紙は1日、2日の両日とも御代替わり1本に絞った社説を掲げている。

(大体において1日付は平成の総括から令和への期待、2日は新天皇の即位や継承問題である)

 ところが朝日だけは1日は御代替わりを掲載したが、2日付は御代替わりには一切触れない通常の社説2本である。

 1日の社説で読売は「令和元年の初日を迎えた」、産経は「『令和』の時代が静かに始まった」と「過去形」で実際に迎えた朝を映し出した。

 しかし、朝日は「即位の日に」としながらも、「『おことば』を述べる儀式などが行われる」との未来予測的な表現にとどめ、上皇となられた先の天皇の退位の儀式が初めて国民に見える形で行われたことなどには一切触れない。