支持率が異例の低水準に

 文大統領は、「北の非核化」を揺るぎない目標にすることを大前提に、北朝鮮と米国との仲介役として両国首脳会談の実現に貢献してきたとされ、国際的な評価を受けてきた。だが、その評価がここにきて一気に下落してきた。北朝鮮が文大統領の思い描くようには動かないという現実のせいだと言えよう。

 ワシントン・ポストの3月17日の報道によると、文在寅大統領の韓国内での支持率は45パーセントと同国大統領としては異例の低水準にまで下降した。

 また同報道は、朝鮮半島情勢の米国人専門家、クリストファー・グリーン氏の言葉として「妥協しようとしない北朝鮮の言動パターンは、文在寅大統領の融和的な手法による仲介役の限界を示してしまった。2018年から文大統領の『外交技量』が受けてきた国際的評価は誤っていたと言える」という手厳しいコメントを紹介していた。

 確かに現状では、文大統領は米国からも国連からも非難され、国際的に孤立した状態と言っても過言ではない苦境に追いこまれたようである。