アジア屈指のリゾート地、ランカウイ島。ユネスコのジオパークに指定され、手付かずの大自然が広がる(筆者撮影)

 「新米の医師だった私が人生で大きな影響を受けたのが、貧しい離島での医療活動だった」

 こう人生を振り返るマレーシアのマハティール首相。貧しい離島(当時)とは、マレーシア最北西部に位置するランカウイ島(ケダ州)のことだ。

 首都のクアラルンプールから空路で約1時間、シンガポールからも約1時間半で行ける100近い島々からなる群島で、マラッカ海峡に繋がる風光明媚なアンダマン海に浮かぶ。

 この海の南東部にランカウイ島とプーケット島(タイ)がある。

 ランカウイ島は、もともとはジャングル島といわれる離島だった。同州出身(ランカウイ島近くのアロスター生まれ)のマハティール氏が4代目首相(1981~2003年)の時代に、同島の観光開発を指揮し、アジア有数のリゾート地として発展させた。

 この夏休みにバカンスでランカウイに行かれる人もいるかもしれない。

 ユネスコ(国連教育科学文化機関)から2007年、アジアで初めて環境保全を提唱するジオパークに認定された(2009年、日本の糸魚川が認定される)。

 開発を島全体の35%までと限定し、透明度の高い青い海、豊かな熱帯雨林にマングローブや珊瑚礁など、手付かずの自然で訪れる人を魅了してきた。

 また、政府指定の免税島で、輸入品のブランド商品、ワインなどのお酒、自動車(ランカウイで購入し、マレーシア本土や海外に輸送するケースも多い)が格安なところも人気の高い理由だ。

 さらに、アジア有数のヨット、トライアスロン、自転車の国際レースやアジア太平洋最大の航空・海上展覧会(LIMA)などの観光誘致でも知られている。