ソ連期から映画や合唱、バレエなど、様々な芸術文化で密かに我が国でも注目を受け、近年はナチュラル・ワインの世界にも新風を吹き込んでいるユーラシアの知られざる文化・芸能・スポーツ大国ジョージア(グルジア)から、また、1人の英雄が誕生した。
とりわけ格闘技は国民的な関心事で、さらに大変な親日国ということもあり、国を挙げて快挙を祝している。もちろん、栃ノ心ことレヴァン・ゴルガゼの大相撲・初場所幕内優勝である。
実は優勝が決まった1月27日はジョージアを4世紀前半にキリスト教改宗に導いた聖ニノの記念の日であった(ちなみにジョージアは世界でももっとも古いキリスト教国の1つである)。
したがって、SNS上では、ジョージア人の投稿はこの聖ニノの祝日をお祝いするメッセージが多かったが、途中から栃ノ心の優勝を祝うメッセージ一色になった。
栃ノ心の奥さんもこの聖女ニノにちなんだニノさんで、2人は栃ノ心の郷里ムツヘタの幼なじみ(2年前、筆者も招待されたが披露宴を東京で行っている)。
そして、聖ニノによるジョージア国のキリスト改宗の舞台こそが、この古都ムツヘタであり、報道にもあるように初めてのお子さんが生まれたばかり。
まさにジョージアにとって歴史的な日の偉業達成は家族には最高のプレゼントとなっただろう。
外国人力士というと、モンゴル勢が目立つが、そもそもヨーロッパ人初の関取はジョージア人の黒海(レヴァン・ツァグリア)であり、彼がまさにこの道を切り開いたといっても過言ではないだろう。
今場所千秋楽で見事に勝ち越しを決めた栃ノ心の朋友である臥牙丸(テイムラズ・ジュゲリ、現在十両)も含めて、これまで幕内力士を3人輩出している。