米大統領、ダボス演説で好調経済アピール メディア批判にやじも

スイス・ダボスでの世界経済フォーラム年次総会で演説するドナルド・トランプ米大統領(2018年1月26日撮影)。(c)AFP PHOTO / Fabrice COFFRINI〔AFPBB News

 米国のドナルド・トランプ大統領が就任2年目に入り、世界各国でトランプ論が再び盛り上がっている。そのなかで私の目を引いたのは、イギリスの大手紙記者がトランプ大統領に対する評価の誤りを認めた記事だった。

 欧米の主要メディアはトランプ大統領を就任当初から「米国の大統領であってはならない人物」と非難し続け、政権が倒れることを予測してきたが、倒れることはなかった──記者は自分の判断が間違っていたことを、こう素直に認めている。

トランプ大統領を前に吹き飛ぶ「中立」原則

 イギリスの大手紙フィナンシャル・タイムズ(1月23日付)に、外交問題主筆のギデオン・ラックマン記者による「ドナルド・トランプと天才という言葉の多数の意味」と題する長文のコラムが掲載された(日本語訳は日本経済新聞の1月25日朝刊に掲載された)。

 この記事はまず、ラックマン記者や欧米主要メディアの記者たちがトランプ氏をいかに辛辣に評しているかを記している。欧米メディアの記者たちはトランプ大統領を「どうしようもない馬鹿」「悪の天才」などと断じているという。ラックマン記者自身も、トランプ氏は白人優先の人種差別主義者であり、政治には無知、恐怖と憎しみを利用して選挙に当選した、と述べる。ラックマン記者はトランプ氏を統治者の資格のない人物だと断じ、一日も早く大統領の座を離れることが望ましいと願っているのだ。