12月11日、都内で自動運転に関する記者会見が開かれた。その主役は、自動車メーカーではなく、ハンガリーのブダペストに本社を置くIT企業「AImotive」(エイアイモーティブ)だった。
会見では、日本の老舗半導体商社「菱洋エレクトロ」がAImotiveの日本事業におけるビジネスパートナーになることが明らかにされた。
昨今、自動運転の開発では、画像認識、深層学習(ディープラーニング)といった技術の採用が一般化しており、この領域に米エヌビディアや米インテルなどの半導体大手が巨額の研究開発費を投じている。筆者は、シリコンバレーのエヌビディア、インテルの両本社で、自動運転事業について定常的に取材や意見交換を行っており、彼らの新事業にかける“本気度”を肌身で感じている。
そうした中、半導体関連企業の新興勢力であるAImotiveが「自律車両用のFPGAプロトタイプ・プラットフォーム」を発表した。FPGAとは「フィールド・プログラマラブル・ゲート・アレイ」の略で、ユーザー側が用途に合わせてプログラムを構築できる演算デバイスである。
近年、画像認識の演算ではエヌビディアのGPU (グラフィックス・プロセッシング・ユニット)を利用するのが主流で、事実上のデファクトスタンダードとなっている。しかし、GPUは一般的には消費電力と発熱量が大きいと言われ、エヌビディアは改良を進めている段階だ。