最近、ロシアの大手総合金融グループ「メトローポル」の社長、ミハイル・スリペンチュク氏(52)を訪ね、日露関係とロシアビジネスに関して話を聞いた。
スリペンチュク氏はいわゆるオリガルヒ(ソ連解体後の新興財閥)として知られた人物で、日本文化と空手を愛する日本びいきでもある。
スリペンチュク氏のことは、NHKが2009年に放送した「揺れる大国プーチンのロシア プーチンのリスト ~強まる国家資本主義~」で知った方も多いかもしれない。
プーチンのリストから漏れた後に
プライベートジェットで世界を飛び回り、政府の資金に頼らないことをモットーにしてきたスリペンチュク氏だったが、リーマン・ショック後に資金繰りに追われて事業がストップする。
そこで方針を変更し、外貨を大量保有する国家の資金援助を得るため「プーチンのリスト」入りを目指す、という主題のドキュメンタリーだった。
番組はスリペンチュク氏の会社がプーチンのリストに漏れたところで終わっていたので、筆者はその後、彼の人生がどうなったのか興味をもっていた。
スリペンチュク氏は2011年にブリヤート共和国からロシア国家院(下院議会)選挙に出馬し当選、政界入りした。与党「統一ロシア」に所属し、天然資源・環境保護委員会の副委員長や、国家院における露日友好議連の会長、北極グループ長などを務めた。