経営力がまぶしい日本の市町村50選(48)
神話の島の神秘
大分県姫島村は瀬戸内海の西端、大分県国東半島の北5キロの周防灘海域に位置する総面積6.98平方キロの一島一村の離島である。
人口は約1900人(2017年5月)。古事記によるとイザナギノミコトとイザナミノミコトが国生みの時に大島を生み、次に女島を生むとあり、その女島が姫島で、またの名を天一根(あまのひとつね)という。
また、村長選は1955年に投票が行われたのを最後に、1957年から2012年まで16回連続して無投票当選となっており、自治体の首長選としては全国で最多である。
この背景には、人口2000人程度の小さな自治体で他に人材がいないという現状のもと、港湾整備やクルマエビ養殖事業、ワークシェアリングの推進などで強力なリーダーシップを発揮した経済政策や、漁礁整備などの漁業振興政策で評価を受けているからとも言われている。
かつての日本の離島は、地域における歴史や伝統、文化などが継承され、独特の風土が残されてきたが、現在では少子高齢化、過疎化、市町村合併、都市型居住へのシフトなどにより、島離れ、後継者不足などの問題が深刻である。
そんななか、姫島村では市町村合併を行わずに独自の方法で一島一村として存続しており、そのための様々な取組みがなされている。
地域包括ケアと要介護認定率11.6%
姫島村の高齢化率はおおよそ35%だが、要介護認定率は11.6%と極めて低い(2015年)。
その要因として、まず1日の歩数が、65~74歳で男性8058歩(全国6703歩)、女性8516歩(同5,705歩)と全国値よりも多く、身体活動時間も厚生労働省の目標値である40分/日を大きく上回っていることが挙げられる。
また自転車を毎日利用する人の割合は男性32.8%、女性63.9%で、全国値(10~35%)と比べると特に女性で高い。