今年も年末となり、月日の過ぎ行く早さに驚いている。まことに凡庸な感慨で、わざわざ書きつけるのも憚(はば)かられるけれど、2人の息子の父親としては、まずは妻を含めた一家4人が大過なく1年を送れたことに安堵しているのである。
今年は下の子が保育園を卒園して小学校に上がったのが最大の事件だった。
上の子もそうだったが、小学生になると、子供は見違えるように成長する。それまでは私のこぐ自転車の補助椅子に乗って保育園に通っていたのが、自分でランドセルを背負って、通学班のみんなと一緒に歩いて小学校に行くのである。雨の日も、猛暑の中も、元気に登校する姿を見ていると、本当に大きくなったと感心せずにはいられなかった。
1人で登下校をするだけでなく、教室では友達と机を並べて勉強をして、「あ」から「ん」までの平仮名を毎日1字ずつ覚えて、足し算から引き算へと、計算する力までも身につけていく。
そんなことは当たり前で、鉛筆で平仮名を書くのも、足し算引き算もできない方がどうかしていると言われる方もあるだろう。しかしながら、幼い者が一つひとつ世界を獲得していく姿には得も言われぬ良さがあって、自宅で仕事をしているおかげで子供の成長をつぶさに見られて、今年は本当にありがたい1年だった。
もちろん気を揉むことにも事欠かない。お笑いの影響なのだろうが、仲良くなった友達からちょくちょく頭を叩かれるというので、それもけっこう強く叩かれるというので、その対処で担任の先生に連絡をとったり、叩くのが収まったと思ったら、今度は自由帳に落書きをされることが続いて、どうにかならないかと悩んだりしたのも、今となってはいい思い出である。
29人のクラスで、私は授業参観や懇談会にも欠かさず出かけていくから、半数くらいの子供は顔と名前が一致するようになった。子供たちの方でも私の顔を覚えてくれて、6~7歳のかわいい盛りの男の子や女の子にまとわりつかれていると、たいていの悩みは吹き飛んでしまう。街で会えば、挨拶を交わすおかあさんも数人できて、知り合いが増えるのはなんとも嬉しいものである。
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上の子の中学校に話を移せば、こちらはかなり大変なことになっている。
去年の秋から今年の夏にかけて、夜間に学校のガラスが割られる事件が相次ぎ、損害額は合わせて200万円に及んだ。犯人は未だに判明していないし、就学時間中にモップが折られたり、椅子が窓から投げ落とされたり、トイレの戸が焼け焦げたりする事件までもが起きて、その度に警察や消防に実況検分をしてもらわなければならず、ご近所の人たちはこの中学はどうなっているんだと、かなり心配しているらしい。
しかし、運動会や合唱祭などで訪れると生徒の様子はごく普通だし、息子から話を聞く限りでは授業も平穏に行われているようである。