尖閣は日米安保の適用範囲、マティス米国防長官

ジェームズ・マティス米国防長官と会談した稲田朋美防衛相(右)(2017年2月4日撮影)。(c)AFP/FRANCK ROBICHON〔AFPBB News

 安倍内閣は依然として高い支持率を誇っている。これに対抗すべき野党第一党の民進党は、長島昭久衆議院議員が共産党との共闘路線に異論を唱え、ついに離党届を提出した。東京都議会でも民進党議員の離反が相次いでいる。自民党に対抗するどころではないというのが現状だ。

 そのことも遠因になっているのかも知れないが、最近、出来の悪い大臣が目立ちすぎる。もっと強い野党が存在していたなら、首が飛んだであろう大臣も何人かいる。

稲田氏に防衛相は務まるのか

 森友学園問題で虚偽答弁を行い、訂正と謝罪を繰り返したのが稲田朋美防衛相だった。そして稲田大臣に関して森友学園問題以上に深刻なのが陸上自衛隊の日報隠し問題だ。

 PKO活動として南スーダンに派遣された陸上自衛隊は、「南スーダン派遣施設隊 日々報告」という日報を作成していた。ここには「戦闘」という言葉が再三使われていた。例えば昨年7月11日には、「ジュバ市内の戦闘に関する状況」には、「戦闘が生起」と明確に書かれており、翌12日には、「UN(国連)施設近辺で偶発的に戦闘が生起する可能性があり、流れ弾には注意が必要である」と記録されていた。

 これは現地に派遣された自衛隊員が、いかに危険な場所で任務を遂行しているかを示すものだ。

 ところが2016年10月に日報の開示請求がなされたのに対し、防衛省は「日報を作成する現地部隊と報告先の国内の司令部を中心に文書を探したが、破棄されたことを確認した」として、同年12月に不開示の決定をしていた。これに対して自民党の河野太郎衆院議員が、再調査を求めたことで事態が動き出し、12月26日、日報の電子データが残っていたことが判明した。